少人数学級:文科省は導入求める方針、一方で財務省は消極的

萩生田光一文部科学大臣は2020年10月27日の閣議後記者会見で、少人数学級を進めるために予算獲得の取り組みを強化したいという意向を示した。

一方で財源を付けることになる財務省は前日10月26日の会合で、少人数学級での学校への影響は限定的、教職員定数はいうほど減らされていないなどとして、導入に消極的・否定的な見解を示している。文科省としては、財務省の意向に反発している。

少人数学級についてはかねてから、一人一人に目が届きやすくなり、学習指導や生活指導に優位になるとされてきた。長年にわたり、現場の教職員や保護者から少人数学級を求める声が出されてきた。その一方で文部科学省と財務省との予算折衝をめぐる攻防などもあって、実現は進んでいなかった。

2020年になると新型コロナウイルス問題が勃発したことで、「ソーシャルディスタンス」の概念が出された。現行の教室の広さでは、40人学級では十分な距離を保てないという問題が指摘された。さらに一時期分散登校で1クラスの人数を半分にするなどした際、「一人一人の児童・生徒の状況が見えやすくなり、子どもに落ち着きが生まれた。授業での一人一人の理解の状況も把握しやすくなった」などとする教職員や保護者からの声があがった。新型コロナウイルス問題での対応を背景に、少人数学級実現の問題がより強く打ち出されるようになっている。

文部科学省の試算では、10年かけて段階的に30人学級に移行した場合、少子化に伴う余剰人員を吸収することなどでほぼ増員なしで対応可能としている。

子どもの学習指導の問題や心理的影響の問題、また新型コロナウイルス対応の角度からも、早期の少人数学級は極めて重要なことである。「少人数学級にしても影響は限定的」などとする財務省の方針は、どこから出てきたものなのだろうかと疑問に思わざるをえない。