「大阪都構想」:児童相談所運営にも悪影響

スポンサーリンク

大阪市を廃止したうえで大阪市域を特別区に分割することを策動し、2020年11月1日にも賛否を問う住民投票に持ち込もうとしている、いわゆる「大阪都構想」。

この問題は、大阪市の権限と財源を奪い、地方自治を破壊するものだと危惧されている。

維新は「都構想で児童相談所を特別区ごとに作れる。現大阪市域に4か所になる」などと宣伝している。

しかしこれは大きなごまかし。

都道府県と政令市に設置義務がある児童相談所は、1か所しか作ってはいけないという法令はなく、必要に応じて複数設置することができる。

大阪市では、従来は市内1か所だった児童相談所を、虐待事案の深刻化を受けて増設した経緯もある。2か所目の児童相談所が開設され、また3か所目も工事中、4か所目も計画が決まり設置予定地周辺の地域住民への説明会などをおこなっている段階。すべて大阪市が設置した、ないしは設置計画を立てて準備中のもの。

特別区では児童相談所を設置することができるが、任意であり義務ではない。「都構想」では現大阪市の財源の74%が大阪府に吸い上げられるともされ、少ない財源でやりくりしなければいけなくなるので、運営に支障が出ることも考えられる。

また児童相談所の業務は専門的で高度であることから、職員養成体制などについても進めていく必要がある。しかし大阪市としての系統的な児相増設・職員増員・職員養成と、特別区への4分割を同時進行でおこなうのは困難であるとも指摘されている。

さらに、民間児童養護施設等の設置認可、大阪市立児童自立支援施設などの管理は、「協定書」によれば一部事務組合に移行されることになっている。一部事務組合はそれ自体が自治体扱いでもあり、このことで各特別区児相との連携に支障が出る可能性も指摘されている。児童の一時保護などに影響が出ることも懸念されている。

児童相談所の充実を図るためには、大阪市としてのスケールでおこなった方がより効率的になるということになる。