福島市立小学校いじめ事案、不登校・適応障害発症も「重大事態」と認めず

福島県福島市立小学校に通っていた男子児童が在学中にいじめを受けて不登校になり適応障害を発症した事案で、福島市教育委員会はいじめ防止対策推進法で定める「重大事態」に該当しないと判断し、第三者委員会の設置をおこなっていないことが指摘された。

読売新聞2020年9月18日付『いじめ不登校「重大」認めず福島市教委』が報じている。

記事によると、いじめが児童が5年だった2018年から卒業直前の2020年2月まで続いたという。複数の同級生から悪口を言われ無視されるなどのいじめを受けたとしている。児童は6年の2学期から欠席がちになり、3学期の2020年2月以降は登校できなくなり、そのまま卒業した。中学校に進学したものの不登校状態が続き、自傷行為などもあったとされる。

児童は適応障害と診断された。

保護者側がいじめ被害を訴え、学校側が把握した。学校側は調査の結果いじめの存在を認定したものの、内部調査にとどまっていた。保護者が第三者委員会での調査を求めたところ、福島市教委から拒否されたとしている。

いじめ防止対策推進法では、心身への重大被害が生じた疑いがあると認めるとき、長期欠席などが続いたなどの状況を認知した場合は「重大事態」として第三者委員会での調査をおこなうよう求めている。

しかし福島市教育委員会は、同法や市の条例での「疑いがあると認めるとき」「必要があると認めるとき」という条文は、学校や市教委が調査の必要性を判断することだと主張して、調査を拒否した。

以前にも同じような理屈で、いじめ事案に対して第三者委員会の調査を拒否した自治体があったような覚えがあるが、再びこのような一方的な解釈に基づく調査拒否が起きたことになる。

第三者委員会設置が学校や市教委の判断だというのなら、「必要がない」と恣意的に結論を出して調査を拒否し続け、いじめをもみ消すことも理論的には可能になってしまう。これはいじめ防止対策推進法の趣旨を大きくねじ曲げるものではないか。

欠席がちになり不登校状態が続き、適応障害と診断された事案が「重大事態」ではないというのなら、何をもって「重大事態」というのか。