三重県立高校いじめ訴訟、和解へ

三重県教育委員会は9月15日の教育長定例記者会見で、三重県立高校に通っていた元生徒が起こしていたいじめ訴訟について被害元生徒側との和解に応じる方針を表明した。三重県議会に関連条例案を提出したのち、可決・承認を経て正式に和解が成立することになる。

いじめ訴訟の経過

報道によると、当該いじめ案件の経過は大筋で以下の様子。

被害者・原告は2015年度に三重県立高校に入学した女子生徒だという。同校1年だった2015年秋頃から、部活動の同級生から集団で無視される・悪口を言われるなどのいじめを受け、不登校になった。

被害生徒や保護者が学校側にいじめ被害を訴えたものの、学校側は「仲間外れであり、いじめではない」などと扱った。さらに当時の教頭はいじめを訴えたことについて「(当時同校に在学していた当該生徒の)姉の大学受験に悪影響が出る」などと発言し、いじめの申告を断念するように迫っていると受け取れる対応をしたという。

生徒は2年進級後学校への登校を再開できたものの、複数の同級生がツイッターなどのSNSで、この生徒について「学校に来ていないのにどうして進級できたんですか」などと中傷する書き込みをおこなったことで、再び登校できない状態になった。

生徒は「学校側が適切に対応しなかった」として、2017年7月に津地裁に約180万円の損害賠償を求めて提訴した。

津地裁は2020年7月30日に和解を勧告した。▼三重県は生徒が同級生から受けた行為を、いじめ防止対策推進法が定める「いじめ」や「重大事態」と認定して謝罪する。▼生徒側は県への損害賠償請求を放棄する。――といった内容になっているという。

和解という形で決着する見通しになったのは、一つの区切りであると言えるかもしれない。和解内容も賠償請求は放棄したものの、生徒の受けた被害がいじめだと明確に認定されたということになる。当時いじめに十分に対応できなかったことを検証した上で、同種の事例に直面した際にどのように対応していくかという教訓を生かしていくことが重要になってくる。