2020年中学校教科書採択、大阪府での状況が発表される

大阪府教育委員会はこのほど、大阪府内の各教科書採択地区、および公立中高一貫校・国立・私立学校での、2020年中学校教科書の採択状況(2021年度より使用)を発表した。

育鵬社の採択状況

極右的な記述や学問的にも不正確・一方的な見解を記載し、「戦争賛美」「人権軽視」などの批判もあり、また「授業や受験での必要事項が抜け落ちていたり独自の解釈で記述されていたりして、授業や受験にも著しく使いにくい」という指摘もされて問題になっていた育鵬社については、歴史・公民ともに採択が懸念されてきた。

育鵬社の歴史については、公立・国立ではゼロとなった。私立では清風・浪速・同志社香里の3校。清風は新規採択となる。

また育鵬社の公民は、公立では泉佐野市、私立では清風・浪速の2校が採択した。いずれも継続採択。

同志社香里では前回2015年、歴史・公民とも育鵬社を採択したことで、同志社大学など系列学園の卒業生やキリスト教関係者などの間に衝撃が広がっていた。今回2020年採択では公民のみ帝国書院に切り替えたものの、歴史は継続採択となった。

社会科・歴史的分野

社会科歴史的分野では、公立採択地区では、東京書籍17地区、帝国書院12地区、日本文教出版8地区、教育出版4地区となった。私立校でも東京書籍のシェアが高くなっている。公立・私立とも、東京書籍は前回より採択を増やしている。

高校の世界史・日本史教科書ではシェアが圧倒的に高いものの、中学校社会科歴史的分野には今回初参入した山川出版社については、公立や国立では採択はなかった。私立で5校(大阪星光学院、履正社学園豊中、大阪桐蔭、東海大仰星、帝塚山学院泉ヶ丘)の採択があった。

学び舎については、前回採択は私立校4校だったが、今回は3校(金蘭会、大阪女学院、建国)となった。3校はいずれも継続採択。従来学び舎を採択していた1校(大阪桐蔭)は山川に採択替えとなった。

山川や学び舎は「記述の難易度が高い教科書」と認識されたのかもしれない。

社会科・公民的分野

社会科公民的分野では、公立採択地区では、日本文教出版17地区、東京書籍12地区、帝国書院7地区、教育出版4地区、育鵬社1地区となった。

一方で私立では東京書籍29校、日本文教出版14校、教育出版9校、帝国書院8校、育鵬社2校となった。

自由社の採択はなかった。

日本文教出版と東京書籍の採択が多く、次いで帝国書院と教育出版が続く状況となった。この傾向は前回2015年採択時の傾向とも似ている形となっている。

道徳教科書

道徳では、公立採択地区では日本文教出版を採択した地区が多い一方で、私立校では東京書籍を採択した学校が多いという傾向が出た。この傾向は2018年道徳教科書採択での傾向とも似た形になっている。

日本教科書は、公立や国立では採択はなかった一方で、私立校1校(浪速)で採択された。継続採択となる。