香港教育当局、教科書記述への管理を強化

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報道によると、香港の教育当局が教科書記述への管理統制を強化しているという。

毎日新聞によると、以下のように報じている。

香港教育当局が「愛国教育」を重視する中国の習近平指導部の意向を受け、学校で使う教科書への管理を強化している。今年の検定では複数の出版社が当局の修正要求を受け、香港に「三権分立」の仕組みがあるとの記述や、民主化運動に関する写真などを削除した。香港各紙が18日に報じた。

「香港は三権分立」記載を削除 香港教育当局、教科書管理を強める(毎日新聞 web版 2020年8月18日)

香港は「一国二制度」のもと、中国とは独自の教育体制を取っている。香港の学校教育では、幅広い社会問題を学んで批判的精神や多様な見方を育てる「通識教育」(Liberal Education)が高校で必修となっている。

しかし中国指導部が「通識教育」を目の敵にし、香港当局に圧力を加えているという。

香港に対する統制を強化する「香港国家安全維持法」(国安法)や、教育現場で国歌斉唱などを義務づける「国歌条例」が2020年6月に施行されるなどし、香港当局は「愛国教育」を打ち出すようになった。

この影響で、「通識」の教科書の記述に対して、当局から修正要求がおこなわれる事例が増えたとされる。香港の法制度の解説として「三権分立」の記述が消えたなどと指摘されている。また民主化デモなど、当局に批判的とみられる記述も修正・削除がおこなわれている。

日本でも他人事ではない

政治的に統制をおこないたい側が、教科書や教育内容に介入する、そのことで自主的な思考をおこなう能力を育成する機会を少なくし、「上」の言うことに従う人間を作ろうとする。

記事で取り上げられているのは香港での話だが、日本でも他人事ではない。日本でも似たようなことが起きている。

教科書検定では、安倍政権のもとで検定基準にしばりがかけられ、政権の意に沿った記述の枠に収めるような動きが加速している。

育鵬社のようなあまりにも「露骨」な教科書は他社に採択変えとなる例が増えている一方で、「一般的な教科書についても巧妙に政権に忖度するようになっているから、育鵬社などのようなものをわざわざ採択しなくて済むようになっているのではないか」という指摘もされている。

国旗国歌法では「強制は望ましくない」とした当時の政府見解があるにもかかわらず、各地方自治体では卒業式などでの「君が代」起立斉唱強制の問題が起きている。東京都をはじめとした各地で、不起立を理由とした教職員処分の事例が相次いでいる。大阪府や大阪市では、維新政治のもとで独自の条例を作っている。それらの手法で学校現場を締め上げている。

教科書の問題や「上からの教育統制」の問題については常に問題意識を向けて、おかしな動きをこれ以上起こさせないこと・また押し戻すことを考えていきたい。