誤った指導や言葉の暴力などを「精神的体罰」として処分対象に含めるよう要請:兵庫県宝塚市

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兵庫県宝塚市教育委員会は2020年8月12日、教職員懲戒処分の基準の見直しを求めて、兵庫県教委に要望書を出した。

児童生徒への誤った指導や言葉の暴力などが懲戒処分の基準として明示されていないとして、これらの行為を「精神的な体罰」として懲戒処分の対象に含めるよう求めている。また、教師がいじめを助長するなどの不作為をおこなった結果児童生徒が心身に被害を受ける状況になったケースについても、懲戒処分の対象とすることを求めた。

宝塚市では2019年6月、市立中学校に通う女子生徒が校舎から転落して重傷を負う事故が起きた。事故直前、部活動顧問教諭が当該生徒に対して圧力をかけて追い詰めるような不適切な指導があったとされ、教諭の指導が生徒の飛び降りを誘発したと指摘されている。

兵庫県教委は2020年6月、当該教諭を停職1ヶ月の懲戒処分にした。その一方で宝塚市教委は、市長も交えた会議で、教諭の処分について「精神的な体罰が処分の対象となっておらず、処分量定が軽い」という認識で教育委員全員と市長が一致した。

いわゆる「体罰」と呼ばれる行為は、直接的な暴力行為が念頭に置かれるケースが多い。その一方で宝塚市教委が「精神的な体罰」と位置づけている行為のように、直接的な暴力行為はなくても、威圧的な行為など不適切な言動や誤った指導などで生徒を精神的に追い込むような行為、「ハラスメント(パワハラ・モラハラなど)」や「教師によるいじめ」とも言い換えられるようなものも目立つ。

直接的な暴力行為でも事実認定や加害者への処分が軽い傾向があるが、「精神的な体罰」になるとそもそも処分基準が曖昧であることから処分がより不透明になるというのは、確かに疑問である。

「精神的な体罰」と位置づけられている行為では、全国的にも自殺・自殺未遂・病気発症・不登校・転校などに追い込まれた児童生徒も相当出ている。報道されたものや教育委員会が公式発表したものだけでもいくつも事例を見つけられる。報道されていないものも含めると、それ以上にあるとも推測される。

児童生徒をいじめ・ハラスメント手法で追い詰めて自殺や体調不良・不登校などに追い込むなど、悪質な人権侵害であり、教育とは無縁の行為である。そういう行為を起こさせない、もし起きてしまった場合には最大級の回復策をとるための方策の一つとして、処分基準の見直しなども必要ではないかと考えられる。