栃木県大田原市教育委員会は2020年7月15日の教育委員会会議で、2021年度以降の中学校教科書採択を実施した。中学校社会科の歴史的分野・公民的分野ともに、育鵬社を継続採択した。
大田原市では2005年以降、歴史修正主義的・いわゆる極右的といわれるような社会科教科書が採択され続けてきた。2005年に、当時の「新しい歴史教科書をつくる会」が編集して問題になった扶桑社版を、市町村単位の採択地区としては全国ではじめて採択している。「つくる会」はその後組織分裂などもあったが、分裂後は当時の反執行部派が主体となった「日本教育再生機構」の育鵬社版を採択し続けてきた。
育鵬社版教科書については、重要事項の記述が抜け落ちていたり、通説を無視した一方的な見解で書かれているなどの問題点が多々ある。中学校段階での学習だけでなく、高校入試や高校以降での学習も含めて、支障が出るような構成となっている。
このような教科書を継続採択させていいのか。