姫路市立中学校柔道部いじめ隠蔽:最高裁で元教諭の訴え退ける

兵庫県姫路市立中学校の柔道部で2015年に発生したいじめ事件を隠蔽したとして停職6ヶ月の懲戒処分を受けた元教諭(のちに依願退職)が停職処分取り消しなどを求めて訴えていた訴訟で、最高裁第一小法廷は2020年7月6日、停職処分取り消しなどを認めた二審大阪高裁判決を破棄し、元教諭の訴えを棄却する判決を出した。元教諭側の敗訴が確定した。

この問題では、当時1年だった男子部員が上級生から暴行を受けてケガをしたことを把握しながら、当時柔道部顧問だったこの元教諭は、当該生徒および副顧問に対して、当該生徒が病院に行った際には「事故で転んだ」などと暴行の事実を隠すよう強要したことが指摘された。

当該校は柔道部では全国大会レベルの成績を残していた学校だった。加害者も被害者も越境通学で転入し柔道部の私設寮で生活していたことが指摘された。不適切な越境入学の問題に加え、柔道部寮内での日常的ないじめが指摘された。校長はいじめ加害生徒について、部活動大会への出場を見合わせるよう指示した。しかし顧問教諭はこれを無視し、主力選手だった加害生徒を柔道部大会に出場させるなどした。

これらのことが問われ、教諭は2016年2月に停職6ヶ月の懲戒処分を受けた。教諭は2016年4月に書類上別の学校に異動したのち、2016年6月に依願退職した。

元教諭が停職処分を不服として提訴した。一審神戸地裁では棄却されたものの、二審大阪高裁で教諭側の訴えが認められ停職処分を取り消すよう命じる判決が出された形になっていた。

二審判決を不服として、兵庫県が上告していた。

最高裁では、元教諭の当時の行為について「いじめを認識した教職員の対応として法令に明らかに反し、信用を著しく失わせる行為だった」「被害生徒の心情への配慮を欠いていた」などとして、いじめ防止対策推進法などに違反すると指摘し、停職は妥当と判断した。

いじめを隠蔽したことが法令違反であり、被害生徒への配慮を欠いていたと認定されたことは、極めて重要な観点である。ケガをして病院を受診するほどの悪質な暴行を受け、またそれ以前にも日常的な暴力や嫌がらせなどのいじめ行為を繰り返し受けていたことを把握しながら、いじめ隠蔽や加害生徒の大会出場などをおこなった元教諭の対応は異常だとしかいいようがない。

二審判決がおかしいとはいえども、最高裁で逆転判決が出たことはほっとした。