熊本市中学生自殺、小学校6年時の担任の言動が原因?:第三者調査委員会設置へ

熊本市は2020年6月1日、市立中学校に進学したばかりの男子生徒が2019年4月に自殺し、背後にこの生徒の小学校6年当時の担任だった教諭の不適切な言動が指摘されている問題について、第三者調査機関の設置を発表した。

当初は市教委のもとでの設置で調整されていたものの、遺族側の要望を受け、市長部局の健康福祉局子ども政策課に設置するとしている。委員の人選などは追っておこなうとしている。

遺族側は、生徒の自殺は小学校6年当時の担任の言動が関係しているのではないかと指摘した。

事案の経過

報道によると、経過について以下のような内容が指摘されている。

生徒の小学校6年当時のクラスでは、担任だった男性教諭が、クラスの児童の胸ぐらをつかむなどの暴力行為・いわゆる「体罰」や暴言、インフルエンザで体調を崩していた児童を学校行事の演奏会に強制的に参加させたことなどの不適切指導を繰り返していたと指摘された。

当該クラスの複数の児童が、教諭の「指導」を苦にして不登校気味になるなどした。自殺した生徒は小学校6年当時、担任教諭の暴言被害について訴え、また円形脱毛症を発症していた。

自殺した生徒の保護者を含めた同じクラスの複数の保護者が2019年3月、教諭の処分や再発防止策を求める嘆願書を熊本市教委に提出するなどしていた。

生徒は2019年4月18日夕方、自宅マンションから飛び降りて自殺した。生徒の部屋からは「死」と書かれたノートが見つかったという。

熊本市教委は関係者への聴き取りを重ね、教諭による「体罰」3件・暴言3件・不適切指導14件を確認した。また生徒の自殺についても、市教委の調査報告書では「小学校の教職員へ聴き取りをおこなったところ、小学校6年当時の担任教諭が原因ではないかとする見解が出た」とした。

遺族側はさらに詳細な調査を求め、第三者委員会の設置方向に至ったという。

いわゆる「指導死」にあたる可能性もあると思われる案件である。原因となった担任教諭との接点は切れても、不適切指導によって傷つけられた心身の傷がすぐに回復するわけではない。過去には、いじめを受けていた現場から離れた数年後に、後遺症で苦しめられた末に自殺した事例もある。

よりていねいな調査を願いたい。