「9月入学」、安倍首相が断念の意向

安倍晋三首相は2020年6月1日、新型コロナウイルス問題による休校が長期化したことを受けて浮上した「9月入学」について、2021年度からの導入を事実上断念する意向を示した。

この問題は、休校長期化によって学業が遅れるなどとして、2020年5月になり一部の知事が、学校再開を9月として学年末を翌年8月までにして、教育課程を後ろ倒しする形での導入を提唱していた。

しかし保護者・教職員・教育学者・首長・与野党の政治家などからは、新型コロナウイルス問題を口実にした拙速な導入では学校だけでなく社会の多方面に混乱を招く、将来的なことについてはともかく今やることではないとする否定的な意見が相次いでいた。

この状況でも「9月入学」に前のめりの姿勢を崩していないのが、吉村洋文大阪府知事や維新の会となっている。

安倍首相は、与党からも否定的な意見が多数になったことを踏まえて、2021年度の導入は断念するとした。一方で事務レベルでは「9月入学制度」の研究・問題点の精査は続けていくとしている。

折しも全国の多くの地域で、6月1日より学校が本格再開した。新型コロナウイルス問題による休校が長期化したことでの学校教育への影響は、授業の遅れ・入試への不安を含めて多岐にわたることになる。児童生徒の不安を取り除くためには、より強い混乱を招く「9月入学」ではなく、もっと他にやることがたくさんある。教育行政として、児童生徒の不安を解消できるような方針の検討と提起が求められる。