新型コロナウイルス問題により学生を取り巻く経済状況が悪化しているなどとして、学生団体「高等教育無償化プロジェクトFREE」と「一律学費半額を求めるアクション」が共同で、2020年4月30日に与野党国会議員や文部科学省に対して、「一律学費半額」など学生の経済状況への支援を求める要請をおこなった。
文部科学省に対しては「国による一律学費半額支援」を求める約1万人分の署名を提出した。
新型コロナウイルス問題では、学生生活にも影響が生じている。
大学キャンパスでは構内立ち入り制限の措置がとられているケースもあり、授業開始も延期されるなどの事例も生じた。オンライン講義を実施している大学もあるが、パソコンやネット回線などの通信環境をそろえる必要も生じている。
さらに社会的な「営業自粛」のあおりを受け、学生の親の収入にも影響が出たり、学生のアルバイト先も休業になるなどしてアルバイト収入も減るなど、学生をめぐる経済状況は悪化しているケースが増えている。調査では、経済状況の悪化を受け、学費が払えないとして休学や退学を見当するに至ったケースが、相当数いるとも報告されている。直近の調査では、経済状況から退学・休学を検討しているとする学生が、5人に1人の割合になっているともされる。
これらの状況を背景に、学費の減免・一部返還や経済的状況への支援など、学生生活への支援を求める運動が多くの大学で起こり、広がっている。
元々高額となっている学費を大幅に下げる・無償化するようよう求めていくことや、無償化奨学金制度の充実を図っていくことなどの根本的な問題についても、これまで通り取り組んでいく必要がある。
同時に、急激な環境悪化に対する緊急策として、学費半額への減免などを含めた可能な対応をおこなっていくことも求められている。
新型コロナウイルス問題での経済状況の悪化は、社会の各方面に影響を及ぼしているが、どの分野においても思いきった支援が必要になる。学生を取り巻く環境、大学で学ぶ環境についても例外ではなく、政府としてできる限りの支援策がとられることが望まれる。