愛媛県新居浜市立小学校の校長が、大阪や東京とを行き来する長距離トラックドライバーの家庭の子どもに対して登校の見合わせを要請していた問題で、愛媛県トラック協会は2020年4月8日、同様の事例が八幡浜圏域の2つの学校でもあったと指摘し、愛媛県教育委員会に対して是正を申し入れた。
県教委は「生徒の特定などにつながるおそれがあるため、個別の案件には答えられない」としたものの、県立学校でそのような事例があったことを4月9日に認めた。
当該校では保護者からの問い合わせを受けた際、登校を見合わせるように校長が指示していたという。
愛媛県教育委員会ではこの措置を不適切とし、4月9日付で、県立学校や市町村教育委員会に対し、正確な理解に基づいた対応を通知した。▼自宅待機を求めるケースは、体調不良の場合、および濃厚接触者と特定された場合とする。▼保護者が関西圏や首都圏など感染拡大地域と往来する仕事というだけで自宅待機を求めることについては、より慎重な対応が求められる。――などと指摘した。
このほかにも、首都圏や関西圏から転入してきた児童生徒への扱いについても、体調に異変がない場合はほかの児童生徒と同様に扱うことや、差別などにつながらないことを配慮するよう求めた以前の通知を再掲し、改めて対応を求めている。
新型コロナウイルスの問題については、正確な理解に基づいた対応が重要になる。保護者の職業や地域などを理由にした差別・人権侵害につながってはいけない。そのことは徹底していかなければならない。