県立高校柔道部での暴力、顧問を懲戒処分:兵庫県教委

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兵庫県立飾磨工業高校(兵庫県姫路市)の多部制単位制で、柔道部顧問教員3人が生徒に暴力や不適切指導を繰り返していたと指摘された問題で、兵庫県教育委員会は2020年3月24日、教員3人のうち2人への懲戒処分を決めた。

男性教諭(55)を停職3ヶ月、20代の男性臨時講師を減給10分の1・6ヶ月の懲戒処分とした。顧問として不適切指導に関与したと指摘された、教諭の長女でもある20代女性講師については、非常勤講師のために地方公務員法に基づく処分の対象にはならなかったという。

教諭は「ヤンキー先生」ともあだ名され、教育問題に関する著書出版やテレビ出演でも知られている。定時制通信制の全国大会で同校柔道部を10連覇に導くなど、全国区の指導者としても知られている。

事件の経過

兵庫県教育委員会の発表によると、教諭ら3人は少なくとも2018年から2019年12月にかけて、練習内容や試合結果が気に入らないなどとして、部員に日常的に暴行を繰り返していたことが確認された。「死ね」「殺す」「ごみくず」などの罵声を繰り返し浴びせたり、拳で顔を殴る、竹刀やゴミ箱を投げつけるなどした行為も指摘された。

被害に遭った部員は、確認されただけでも16人いた。うち部員2人がケガをした。暴行を苦にして退学した部員もいる。

2019年12月、顧問らの暴行や長時間練習を苦にして、部員らが集団で家出したことで、事態が発覚した。

兵庫県教育委員会は教諭らを指導から外して自宅待機措置にした上で、詳細な事実関係を調査していた。教諭らは一部の行為については認めたものの、ケガをさせるなど大半については「覚えていない」「やっていない」などとして否認したという。

また教諭については、部活動以外にも、担当する授業で生徒を蹴りつける暴力行為も指摘された。

悪質な暴力行為

教諭側の主張とは一部食い違いがあるものの、教諭らが生徒に暴力をともなう不適切指導をおこなっていたことは事実だと認定されたことになる。

指摘された暴言や暴力行為は、相当悪質なものとなっている。このような行為を「指導」として正当化することは、生徒への人権侵害ともなり、許されることではない。このような行為を起こさない、起こさせないための対応こそが必要になる。

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