2020年度全国学力テストは「4月予定の当初日程ではおこなわず、延期模索」:萩生田文科相

萩生田光一文部科学大臣は2020年3月17日、閣議後の記者会見で、4月16日に実施が予定されていた2020年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)について「予定通りの日程ではおこなわない」と表明した。

新型コロナウイルス問題による休校問題の影響で、未指導部分の授業を調査前日までに終えることが困難な学校もあることから、同日の実施を断念した。その一方で、「できれば中止を避けたい」として、2020年度内に延期して実施することを模索するとしている。

悉皆調査で実施する現行方式での全国学力テストについては、学校間・地域間の点数(平均点)競争・順位競争を激化させるだけで、児童生徒や教職員に多大な負担を強いることになっていることが指摘されている。

テストの点数を上げるために「春休みの宿題として過去問・類題のプリントを解かせる」「新年度に入っても全国学力テスト実施日までは新学年の内容に入らず、過去問・類題の対策問題演習ばかりおこなう」などの状況が、各地で報告されている。これでは、文科省が表向きうたってきた「学力状況把握」にはつながらない。

そもそも全国学力テスト誕生の過程自体が、学校間・地域間競争を目的としての導入が構想されたものだったが、批判を浴びて表向きは「学力状況把握」名目にしたという経緯がある。このテスト自体に根本的な問題点・矛盾点が内在している。

新型コロナウイルス問題に伴う影響という個別の問題にも配慮する必要があるが、全国学力テストには根本的な問題点がある以上、「当初予定日の4月の実施は中止し、適切な時期への延期を模索する」という対応から一歩踏み込んで、「テストそのものを中止する」という判断も必要となってくる。