授業中の児童死亡事故、関係教員を処分:神奈川県教委

神奈川県平塚市立土屋小学校で2014年10月、図工の授業として校門前で絵を描いていた当時6年の男子児童が車に轢かれて死亡する事故が起きた。その事故に関連して、神奈川県教育委員会は2020年3月12日、安全対策が不十分だったなどとして、担任だった男性教諭(45)を停職1ヶ月の懲戒処分にした。また管理責任を問い、当時の校長(60)を減給10分の1・6ヶ月、当時の教頭(65)を戒告処分とした。

第三者調査委員会の報告書を待っていたため、事故から5年半近く経った時点での処分となったという。

事故の経過

事故は2014年10月17日午後2時50分頃に発生した。

担任教諭は6年の図工の授業で、「わたしのお気に入りの場所」の単元として、学校敷地内および学校校門周辺で絵を描くよう指示した。男子児童は正門の外側で絵を描いていたが、その際に別の児童を迎えに来た保護者の車に轢かれ、児童は内出血性ショックで死亡した。

当時正門前では、保護者の車の駐車やUターンなどが常態化していたという。

民事訴訟では、「公道で絵を描くことを認めれば、事故に遭う可能性を容易に予見できた」と担任教諭の過失を認定し、平塚市・神奈川県・車の運転者が連帯して約7200万円の損害賠償を児童側に支払うよう命じた判決が、2017年9月に横浜地裁小田原支部で出ている。事故については、児童は担任教諭の指示で絵を描いていたことや、運転していた保護者は児童の姿を事前に認識していながら事故を起こしたと判断され、児童には相殺すべき過失はないとされた。

児童の遺族側は平塚市教委に対して、第三者委員会での調査を要望してきた。しかし平塚市教委は当初拒否していた。文部科学省が2016年に「学校事故対応に関する指針」をまとめたことを受け、文部科学省からの指導もあり、2017年7月に平塚市教委の第三者委員会が設置され、調査がおこなわれていた。第三者委員会では2019年10月、「学校の安全管理に瑕疵があった。児童には非がなかった」とする答申をまとめた。

事故を教訓に

関係した教員らへの処分内容の軽重については立ち入らないが、児童の安全確保については慎重を期さなければいけない。安易な判断によって事故が誘発されたことは重く受け止めるべきである。また関係教員個人だけの問題にせず、日本全国の学校で教訓にして必要な安全対策を図る必要がある。