朝日新聞(web版)2020年3月6日付が記事『突然の一斉休校、大人たちは説明して 中学生が署名提出』を配信している。

新型コロナウイルス対策として、2月27日に突然の休校方針が示され、3月2日より全国のほとんどの学校で一斉休校となっている問題。
そのことについて、大阪市立中学校の生徒が、休校について納得できる説明を求め、生徒93人分の署名を集めて大阪市教育委員会に提出したという記事。
国レベルで安倍首相が「一斉休校」に言及した2月27日午後6時より先立つこと1時間半、大阪市では同日午後4時半頃、臨時の新型コロナウイルス対策会議を開き、市立小中学校の突然の臨時休校を独自に決めた。大阪市での臨時休校期間は2月29日~3月13日となる。

翌2月28日は登校日となったが、学校では慌ただしく休校が決まり、3月13日に予定されている卒業式も短縮され、式次第なども変更となった。学校では当時、休校についての具体的な説明は十分されなかったとされる。
要望書と署名は3月2日に提出した。大阪市教委では指導主事が対応した。生徒らは「自分たちは(その場での指導主事の説明で)納得できた」とする一方で、「でも全国にいろんな思いを持っている生徒がいるはず。みんなが納得いくよう、大人は説明してほしい」と訴えている。
大阪市にしても国にしても、「一斉休校」の方針はあまりにも唐突であった。必要な場合には休校の判断に踏み切ることそれ自体は、一般論としていえば、選択肢としてありうることまでは否定できない。しかし、事前の準備や関係者への説明なく一方的に「要請」「方針決定」をおこなって、当事者には寝耳に水状態で突然不要な混乱が降って湧いた形になったという今回の状況は、全くもってよろしくないことである。
何らかの措置をとるにしても上から押しつけるのではなく、教育の自主性、そして子どもの権利条約に基づいた意見表明権を尊重した上でおこなっていくべきである。
生徒から意見が出て、意見を表明して行動したということは、喜ばしいことである。大阪市教委だけでなく全国の教育行政関係者は、ていねいな説明をおこなっていくべきではないか。