「つくる会」自由社、中学校教科書検定で不合格に

「新しい歴史教科書をつくる会」は2020年2月21日に記者会見を開き、2019年度教科書検定に申請していた自由社中学校社会科歴史的分野の教科書が、検定で不合格にされたと公表した。検定結果の撤回を求めている。

文部科学省は、不合格の事実を認めた一方で、「つくる会」の会見について、検定結果が出る3月下旬まで検定に関する内容を非公開にするというルールに違反したと指摘している。

「つくる会」は2020年夏の中学校教科書採択に向けて、改訂版教科書の検定申請を2019年4月におこなっていた。しかし2019年11月に文部科学省から「欠陥箇所」405ヶ所を指摘された。175ヶ所について反論書を提出したもののすべて認められず、2019年12月に不合格となった。

教科書検定では、以前は不合格の理由となった箇所を修正して再申請すれば合格することもあった。

しかし2016年にルールが変更され、ページ数の1.2倍以上の「欠陥箇所」が指摘された場合には当該年度内に再申請できなくなる「一発不合格」の仕組みへと変更された。このルールは元々は、文科省や政権の意向を忖度した記述の枠にはめ込むために、教科書会社を萎縮させるためのルールだったとみられる。しかし皮肉にも、極右的・歴史修正主義的な記述で知られる「つくる会」自由社教科書が、小中高校教科書を通じて、そのルールの「適用第1号」となってしまった。

このため、「つくる会」教科書の改訂版の年度内の再申請は不可能となり、発行は不可能となった。

細かい背景については、報道の範囲だけではまだよくわからない部分もある。「つくる会」が「検定意見が付いた」と公表している内容を読む限りは、中身があまりにもひど過ぎるから、文科省ですらさすがに修正意見を付けざるをえなかったとも受け取れる。またその一方で、右派教科書勢力同士の勢力争いなどほかの理由も想像してしまう。