千葉県松戸市いじめ不適切対応:第三者委員会「明確な判断ができない」

千葉県松戸市立常盤平第一小学校で2016年5月、当時4年の男子児童がいじめに遭ったことに抵抗したことに対し、担任だった女性教諭が被害児童を抑え込んだ上で加害児童に対して「やり返していい」などと発言するなどして被害児童を不登校に追い込んだ事件があった。

この事件について調査していた松戸市教育委員会の第三者調査委員会が、事実関係について「明確な判断ができない」と答申していたことがわかった。松戸市教育委員会が2020年2月18日に発表した。

事件の経過

報道や被害者側の告発を総合すると、事件の経過は以下のようになっている。

千葉県松戸市立常盤平第一小学校いじめ事件
千葉県松戸市立常盤平第一小学校で2016年5月、いじめ被害に遭った4年男子児童がいじめに抵抗したことに対して、担任教諭や教頭がいじめを不問にして「暴力を振るった」などと児童を一方的になじり、また担任教諭がいじめ加害者に「やり返していい」など

当該児童はかねてからいじめを受けていた。2016年5月、別の男子児童から殴られるなどした当該児童がいじめに抵抗した。その際に担任の女性教諭が、いじめの様子を目撃しながら、「当該児童が一方的に暴力を振るった」扱いで当該児童を羽交い締めにし、加害児童に対して「やり返していい」などと発言した。加害児童はそれを受け、羽交い締めにされて動けない状態の当該児童をさらに殴りつけた。

当該児童が「先に加害児童から殴られた」と訴えても、担任教諭はそのことを認めながら、「やり返さないのがこの学校のルールだ」と当該児童を怒鳴りつけた。「加害児童に対してはやり返せと言ったじゃないか」と指摘されても、教諭はすぐ直前に言ったことにもかかわらず「そんなことを言っていない」と嘘をつくなどした。

担任教諭は別の児童に対して、教頭を呼びに行くよう指示し、駆けつけた教頭(当時・現在は他校に異動)も事情をきちんと聞くことなく加害児童の肩を持って被害児童を一方的になじるなどした。教頭はその際、当該児童に対して「お前は嫌われている」「ヤクザに話を聞いてもらおうか」「日本は法律の国だ。警察に逮捕されるぞ」などと恫喝する対応もおこなった。

児童は卒業するまで不登校状態になった。

この事件以前から、暴力を受ける、暴言を受ける、また当該児童が外国人とのハーフだということを理由に人種差別的な内容も含んだ罵倒を受けるなど、児童へのいじめがあったとされる。当該児童の保護者はいじめの疑いに気づき、ボイスレコーダーを持参させていた。ボイスレコーダーに暴力行為をうかがわせるような音や、担任教諭・教頭の発言が録音されていた。

当該児童の保護者は学校側に不適切対応を訴えたものの、学校が隠蔽していた。被害者側の保護者が2019年、録音音声をネットに公表し、一連の経過が明らかになった。

事実確認のまずさ

これについては、第三者委員会の「事実関係が確認できない」という判断が妥当なのか理解に苦しむ。

録音音声も出ていて、しかもそれは「教師がいじめに加勢している。あおっている」とも受け取れるような極めて悪質なもの。録音で出た範囲でも問題外の恐ろしいものである。にもかかわらず事実関係を曖昧にして、加害者教師2人と加害児童を不問にするなど、強い疑問を感じる。