「わかりやすい」産経新聞の日教組教研集会評

日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会(教研集会)が広島市で開かれているとのこと。例によって、産経新聞が授業実践リポート内容に難癖を付けている。それ自体は、例年この時期の風物詩ではある。

同紙ウェブ版記事・2020年1月25日配信『日教組教研集会 政治色にじむリポート発表「日本はひどい」』。

平和教育の分科会で、沖縄県からの参加者が、米軍普天間基地問題を小学校の授業で取り上げた実践について報告した。米軍基地について事件や事故にもつながっているなどといった視点が児童から出たことについて「米軍基地反対に子供たちを誘導する」「政治的に偏った教育活動をうかがわせる内容」などと論難している。

また総合学習の分科会では、北海道からの参加者が、小学校で「身近な地域での強制連行・強制労働の実態」の問題を取り上げた授業実践を報告した。産経はここにも噛みつき、児童の感想が「自虐的」だと非難し、「強制連行はない」などとしている。

その一方で、国際連帯・多文化共生教育の分科会で、北海道からの参加者が、北方領土問題を軸にした実践を報告したことについては、「地域に密着した題材から児童生徒の興味を引き出し、学習への意欲を高める効果的な授業例」「安倍晋三首相とプーチン大統領に手紙を書き、領土問題に関する国会の首相答弁を聞いて自分なりの考えを持たせるような取り組み」と一転して肯定的に扱っている。

いやはや、産経の態度は露骨で、「わかりやすい」としか。

沖縄県にとっての米軍普天間基地問題、北海道での「身近な地域での強制連行・強制労働の実態」も、「地域に密着した題材」のはず。その意味では、北海道にとっての北方領土問題の実践と、授業実践の構図に大差はないようにも思える。

片方はこき下ろし、もう一方は肯定的に扱っている。これは産経こそが、特定の政治的立場を教育に押しつけるという視点から動いている「政治色」むき出しのように感じる。

米軍基地問題や強制連行など、復古主義的な勢力にとって「気に入らない」題材には噛みつき、また領土問題など復古主義的な勢力好みだから肯定的に扱ったもののようにみえる。