「小学生時代のいじめでPTSD」いじめ認定し学校側の隠蔽認める判決:東京高裁

「東京都府中市立小学校在学中にいじめを受けたが、学校側に被害を訴えても対応されず、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症した」として、被害に遭った女性(現在20代)が府中市などを相手取って訴えた訴訟で、東京高裁は2020年1月22日、当時の学校側の対応について「いじめ問題を封印して闇に葬った」と指摘し、府中市に約756万円の損害賠償を銘じる判決を出した。

2018年3月の一審東京地裁立川支部判決では、原告側の請求を棄却していた。逆転判決となる。

原告女性は小学校6年だった2002年当時、同級生の男子児童3人から継続的に暴力を受けるなどのいじめを受け、PTSDを発症したと訴えた。バケツに入った水をかけられたり、靴を隠されるなどしたという。

児童は不登校となり、また精神症状が出てPTSDと診断された。2020年時点でも治療中だという。

高裁判決では、児童を診察した医師に学校側(校長と教諭2人)が面会した記録の内容をもとに、学校側がいじめを隠蔽したと指摘した。医師は「児童のPTSDはいじめが原因」と説明したものの、校長は「調査したが、いじめは存在しない。児童のふざけあいだった」などと反論したという。これらのやりとりについて高裁では、「学校側がいじめを否定した」と指摘し、学校側の対応によって児童の症状を悪化させたと指摘した。

いじめの定義をねじ曲げ、いじめは存在しない・ふざけあいに過ぎないなどと強弁するのは、いじめを認めないという意思の表れだと見なされるべきものである。隠蔽と厳しく批判されるに値する。判決でこの点について厳しく指摘し、いじめを認定したのは、当該案件の個別の問題にとどまらず、いじめ問題全般を考えていく上で注目に値するものだといってよい。