「通信制高校・サポート校で劣悪な環境」元生徒らが神村学園を提訴

 神村学園高等部(鹿児島県いちき串木野市)が「プロサッカー選手を目指す生徒向け」として兵庫県淡路市に開設した広域通信制の「淡路島学習センター」(兵庫県淡路市)で、必要な学習指導がおこなわれず、またサッカーの練習環境や全寮制施設も劣悪な環境だったと、元生徒や保護者が訴えていることがわかった。

 元生徒側は「学習指導が受けられないなどし、自主退学を余儀なくされた」として、2019年12月27日付で学園側を相手取って損害賠償を求める訴訟を、松江地裁益田支部(島根県)に提訴した。

事件の経過

 報道によると、問題の経過は以下のようになっている様子。

 神村学園は2019年度、プロサッカー選手を目指す生徒を対象にした広域通信制として「淡路島学習センター」を開設した。3年間で高校の教育課程を履修しながら、サッカーに打ち込める環境を作るとして、サポート校として全寮制のサッカー指導施設を併設する形とした。

 午前中はサッカーの練習をし、午後に授業を受ける形になっていた。

 学園側はドイツ人の世界的サッカー指導者、ゲルト・エンゲルス氏を「育成アドバイザー」として招き、ドイツ人監督を招聘して技術指導が受けられるとうたい文句にしていた。

 しかし開校すると、学園側の事前宣伝とは異なる実態が浮き彫りになった。

 サポート校や生徒寮は学園の直営ではなく、地元の業者に委託していたことが入学後に判明した。入学後約4ヶ月にわたって授業はおこなわれず、通信制での単位認定に必要な課題リポートも生徒側に届かなかったという。

 生徒寮は民間の宿泊施設を借り上げる形となった。また食事は近くのレストランで質の高いものを提供するとしていたものの、実際は量や質に問題があり、生徒は腹を空かせてコンビニでおにぎりや惣菜などを購入することもしばしばあったという。

 サッカーの指導についても砂浜などでおこなわれ、またドイツ人監督は着任せずに日本人指導者が指導にあたっていた。エンゲルス氏は数回顔を見せただだけだったという。

 学園側は「特待生」を生徒勧誘のうたい文句に使ったが、実際には入学生ほぼすべてが「特待生」扱いで、学費や諸経費で年120万円ほどの出費があったことも指摘された。

 2019年度入学の1期生22人のうち10人が、劣悪な環境を苦にして2019年8月末までに退学したという。

極めて悪質

 生徒側の訴え通りなら、あまりにも悪質極まりない。

 「詐欺まがいの金儲けの場として学校教育を悪用したようなものだ」と批判されてもおかしくないと感じる。こんな劣悪な教育施設があってはならない。