学校図書館充実求める国会決議案:維新の反対で提出断念と指摘

 維新創設者である橋下徹は、大阪府知事時代の2009年、大阪府立高校の学校図書館に配置していた専任司書制度を廃止し、理科や家庭科などの実習助手へと配置換えするなどで人員削減する施策をとった。

 その結果府立高校では、校務分掌で図書館担当となった教職員を中心に運営努力がされてきたものの、開館できない状況になった学校が2割ほど出た。

 学校図書館法の改正を前にした2014年秋、当時の大阪府の施策が新聞報道で問題になった。

 橋下徹は2014年時点では大阪市長に転身していた。橋下は新聞報道に反論するような形で、図書館司書を「図書館ショシ」と終始間違って何度も言い立てた上で、「高校にもなってショシを置くのは疑問。ショシよりも英語教育などに力を入れるべき」「高校にもなれば、図書館の鍵を開けておいて、生徒に本を管理させればいいんですよ」などと自己正当化に終始した。

大阪府立高校図書館司書問題:橋下氏が反論
 2009年に大阪府立高校の学校図書館の専任司書が廃止され、約2割の学校で図書館が開館できなくなっている問題が報じられている。 このことについては大阪府の監査委員も問題視し、学校図書館法では2015年度以降学校図書館司書の設置が努力義務...

 そして2019年にも大阪市で、維新市政によって学校図書館の機能低下につながるような問題が発生した。大阪市は2019年度予算で、学校図書館予算を2019年度の新年度から減らすことにして問題になった。大阪市での学校図書館司書はそれまでも非常勤嘱託の学校図書館補助員による複数校への巡回方式だったが、予算・採用人数を減らして各校への巡回日数も減らすとした。

 大阪府・大阪市での動きを踏まえると、国政でもこんなとんでもないことをやらかすのも必然的かという印象を受ける。もっとも、こんなことが許されるわけがないということは前提ではあるが。

反知性的で文化軽視

 維新の学校図書館に対する見方、また広く教育や文化に対する見方は、「反知性主義」「文化軽視」というのが根底にあると見なさざるをえない。

 学校図書館の司書については、専門職の専門性ということに理解が及ばず、単に「貸出窓口の単純業務」と皮相な見方をしているのではないかとも疑われる。図書館の役割および司書の専門性について少しでも理解しようとすれば、維新のような発想にはならないはず。

 また「民間でできることは民間で」の発想で、公務員を減らすことそれ自体が目的となり、公共性の観点がないことも問題である。

 このような政党が大阪では地方政治を牛耳って教育破壊・生活破壊に邁進し、また国政でも国会に議席を持っておかしなことをしているのは、社会にとって大きな損失ではないか。