全国学力テスト「抽出式」への変更求める意見書可決:高知県土佐町議会

 高知県土佐町議会は2019年12月10日、小中学校「全国学力テスト」について、抽出調査方式に改めるよう国に求める意見書を賛成多数で可決した。

 全国学力テストの抽出式への変更について、自治体や議会から公式に変更を求める要望が上がったのは、全国でも初めてだとみられる。

 意見書では、都道府県独自の学力テストもあって「テスト漬け」の状態となっていること、教員が対策と分析に追われ疲弊していることなどを指摘している。

全国学力テストの問題点

 全国学力テストは、元々は「学校間・地域間の競争」目的で導入が図られ、批判を受けて「学力状況の把握」という名目に変更して導入された経緯がある。

 調査では点数の発表方法などにも問題があり、「わが県の順位は○位、全国平均より上か下か」などの都道府県別の順位や平均点を一面的に扱う傾向ができた。地域によっては、市町村・学校別平均点を公表して競争を煽ろうとするなどの風潮もできた。

 その影響で、各地で「平均点を上げるためのテスト対策」が横行し、直前にはテスト対策の過去問・類題演習ばかりさせて通常の授業ができないなどの状況も各地で生まれ、国会質問でもとりあげられている。

 このような方式では、個別の児童生徒の状況という意味でも、また全体的な傾向をみるという意味でも、「学力状況の把握」にはつながらず、児童生徒や教職員を疲弊させることにもつながってしまう。国として全体的な傾向をつかむという調査なら、抽出調査でも対応できることであり、競争や序列化につながってしまうような悉皆調査にこだわることではない。

 現行の方式での実施は中止・撤回し、少なくとも「全体的な学力傾向の把握」という大義名分なら抽出調査として実施すればいい。

 意見書が出たことは、全面的に歓迎する。ほかの地域でも、続く自治体が出てきてほしいと願う。

(参考)
◎全国学力テストへの意見書 可決(NHK高知 2019/12/10)
◎全国学力テスト、サンプル調査に 高知・土佐町議会が意見書(共同通信 2019/12/11)