神戸市立高校生徒飛び降り「直前の指導が原因」第三者委員会報告書

 神戸市立六甲アイランド高校(神戸市東灘区)で2017年12月、当時1年の男子生徒が校舎から転落して重傷を負った事案があった。この事案を調査していた第三者調査委員会は2019年12月11日、直前の教師の指導が生徒を自殺決意に追い込み、飛び降りを招いたとする調査報告書を神戸市教育委員会に提出した。

 転落事案は2017年12月22日に発生した。この生徒は「SNSでの不適切な書き込みがあった」として、教員から呼び出された。前日の12月21日と当日の22日の2日間、計約16時間にわたって、聴き取りや反省文などの別室指導を受けた。

 その際に教員は激しい口調で叱責し、退学を示唆するような発言も繰り返したとされる。

 翌日以降も別室指導を告げられた直後の午後5時過ぎ、生徒は校舎5階から飛び降り、一時重体になった。生徒は長期入院を経て、退院後の2018年8月に他校に転学した。松葉杖での移動や、嗅覚が失われるなどの後遺症が残ったという。

 調査委員会は2019年5月に設置された。神戸市教委が設置したが、独立性の維持を図り市長部局に権限を委任した。

 第三者委員会では、教員の対応が自殺未遂を招いたと判断した。また生徒に弁明の機会が与えられなかったことや、長時間の隔離などをあげ、指導に問題があったと指摘した。「個人の尊厳を脅かしており、指導目的を超えた一種のハラスメントと解釈できる」とも指摘している。

 当該校では当該生徒の事案以前にも、別の生徒への指導で「別室指導が約2週間にわたって続いた」「生徒指導担当教諭から退学を迫られるような発言を受けた」などの状況があったとも指摘されている。

 当該生徒への行為にしても、それ以前からの学校で繰り返されていたことにしても、指導目的を大きく逸脱したハラスメントだと厳しく批判されるべき行為である。

 学校および神戸市教育委員会は、調査報告書の内容を重く受け止め、再発防止策をとるべきである。

 また全国的にも、教員の指導によって生徒を自殺に追い込んだ「指導死」事案(未遂含む)は多数報告されている。この事件を「特定の学校で偶発的に起きた他人事」扱いするのではなく、当該校のみならず全国各地の学校で生徒指導のあり方をていねいに見直していく必要がある。