名古屋市、小学校給食費値上げ方針

 名古屋市教育委員会は2019年12月4日、市立小学校の給食費を2020年度から値上げする方針を示した。現行よりも600円値上げし、月4400円とする。また中学校のスクールランチについても値上げをおこなう。

 名古屋市会の教育子ども委員会で報告された。議会での議決は要せず、市教委の判断で実施が可能だという。一方で市会では、家庭への配慮を求める声や滞納が増えることがないように求める声が出た。

 名古屋市では2009年度に300円の値上げをおこなって以来、11年間据え置いてきた。20政令市の中では最も安く据え置かれ、また据え置き期間も長くなっていたとされる。

 しかし物価の上昇を反映し、「2009年度に年6回出ていたエビフライが、2018年度にはゼロとなった」「ヒレカツも、2009年度には年6回出ていたのが2018年度には1回になった」「とんかつをコロッケに置き換える」「高野豆腐は2009年度に2回だったが2018年度には17回になった」「デザートの提供回数を、2009年度の83回から2018年度の41回に半減させる」などメニューを質素にする対応で、値段据え置きを図ってきた。現場での対応では限界があるとして値上げに踏み切った。消費者物価指数によると、この10年間で10%ほどの物価上昇があったとされる。

 値上げにより、2009年度とほぼ同水準に戻した上で、それを上回る水準のメニューを提供できることを目指すとしている。

 値上げ方針決定に先立って名古屋市教委が保護者に対して実施したアンケートでは、「おかずが質素すぎる」「値上げはやむを得ない」などの声が多く出されたとしている。

 学校給食の質を上げるのは、重要な課題であることはいうまでもない。その一方で2000年代以降では、食育の概念が学校給食にもより強く反映されるようにもなり、学校給食運営予算の行政からの補助を増やすことで、給食費の無償化・値下げなどに踏み切る自治体も増えている。給食のあり方が自治体行政上の重要課題となっている地域も多くみられるようになった。

 そのような状況の下で、安易に値上げという対策をとるのではなく、行政としての公費補助を増やすなどほかにできることはなかったのだろうかという気もする。