吹田市立小学校いじめ事件、関係教職員の処分発表:大阪府

 大阪府吹田市立小学校の女子児童(2019年度時点では5年)が、1年~2年当時にいじめを受けて骨折し精神症状を発症した事案に関連して、大阪府教育庁は11月29日、関連教職員の処分を発表した。

 事件発生当時の男性校長(60歳、2017年3月まで同校に在籍。2019年時点では他校校長)を戒告処分、事件発生当時の女性教頭(48歳、2018年3月まで同校に在籍。2019年時点では他校校長)を厳重注意とした。当時の担任については、期限付き任用講師ですでに任用期間が満了しているとして、処分できなかった。

 当該いじめ案件は、被害児童が1年だった2015年秋頃から始まり、2年時の2017年3月まで続いた。

 同級生の男子児童5人は被害児童に対して、ボールをぶつける・階段で押すなどの暴行や、被害児童の持ち物を壊すなどの行為を繰り返しおこなった。さらに加害児童は、被害児童の自宅に押し入って暴行を加えたり、家にあったお菓子を食べるなどの行動もした。

 また加害児童は被害児童に対して、同じ学校に通うきょうだいの悪口を言う、きょうだいの行動の真似をするなどしたうえ、「先生に告げ口したらきょうだいにボールをぶつける」などと脅すなどした。加害児童は、被害児童のきょうだいにも暴力行為をおこなっていた。

 加害児童が繰り返し女子児童の足をめがけてボールを強くぶつけたことにより、女子児童は左足骨折や足の打撲・捻挫などのケガを負った。また心因性の視力障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)の精神症状を発症した。いじめに関与した児童5人は、2017年に児童相談所に通告されている。

 児童は2年だった2016年度、学校生活アンケートに加害児童の名前を挙げて「けられた。なぐられた」などといじめ被害を訴えた。しかし担任だった講師は「大したことではない」と扱い、事実関係の詳細な聴き取り・加害児童への指導・管理職への報告など必要な対応をとらずに放置していた。

 保護者は2017年3月に学校側にいじめ被害を訴えたものの、担任は「いじめは知らなかった」などと答えたという。さらに保護者が「加害児童と座席を離してほしい」と訴えたところ、担任は、実際は被害児童と加害児童とが通路を挟んで隣の座席になっていたにもかかわらず「座席は隣ではない」と嘘をついた。また学校生活アンケートを紛失していたことも判明した。

 被害児童の保護者は同時期に吹田市教委にも訴えたものの、「学校側が主体的に調査すべき」として4ヶ月間放置した。その後調査委員会が設置され、2019年6月に調査報告書が公表された。

吹田市|吹田市いじめに係る重大事態調査委員会

 大阪府教育庁は、学校側が組織的な対応を怠り深刻化を招いたと判断した。

 いじめそのものも、極めて悪質なものである。同時に学校側の対応は、いじめ対応としては後手に回りすぎていて、深刻な状況を招いたと受け止められる。

 報告書で指摘された内容を読む限り、担任だった講師の対応は異常といわれてもおかしくないほどのレベルでおかしな対応をしている上、校長も学校としての対応が後手に回っている、さらに吹田市教委の対応の遅れまで加わっているという経過をたどっているという印象を受ける。

 当時の教職員を処分したから一件落着というわけではない。いじめの経過について詳細に分析した上で、被害児童への適切な対応と同時に、今後同様の事案を認知した場合にどのように対応していくべきかについて検討していく必要がある。