横浜市「震災いじめ」、被害生徒が再調査要望

 横浜市立の小中学校に在学していた当時、親族に東日本大震災の被災者がいることで「震災いじめ」を受けて不登校になったとして、被害生徒(2019年時点では高校生)が2019年11月22日、林文子横浜市長宛に再調査を求める意見書を提出した。

いじめの経過

 報道によると、いじめの経過は以下のように指摘されている。

 生徒は2011年当時小学校3年だった。当時通っていた小学校で、「親族に東日本大震災の被災者がいるか」というアンケートが集められた。その際に回答用紙がむき出しのまま回収されたことで、周囲の児童にアンケートの記入内容が漏れる形になり、この児童の親族に被災者がいたという個人情報がクラスの児童に知られることとなった。

 被害生徒は「アンケートをきっかけにいじめが始まった」「アンケートの実施方法は不適切だった」と訴えている。

 この生徒はこのとき以降、同級生から金銭を要求される、「お前が地震・津波の原因だ」「こんなに死んだのはお前のせいだ」「大量殺人鬼」などの暴言を受ける、殴る蹴るなどされる、「お清め」などとして塩を体に振りかけられるなど、悪質ないじめを受けた。

 いじめは市立中学校2年だった2016年12月まで続いた。生徒は同月以降登校できなくなり、不登校のまま2018年3月に中学校を卒業した。

 中学校は2017年2月にいじめを認知し、2018年5月に調査報告書を発表した。しかし生徒側は「調査内容が『中学校在学時のみ』『金銭要求』に絞られていて、『小学校時代のいじめ』『暴力や暴言などの被害』については調査から外していた。全面的な調査がされていない」と訴え、再調査を求めた。

 また調査では加害者は4人とされたが、ほかにも加害者が複数いた・4人以外の加害者には調査すらされなかったと訴えている。

個人情報の扱い、いじめ対応ともに問題

 いじめのきっかけとなったアンケートの採り方も、非常にまずい。個人情報への配慮に欠けている。

 またアンケートの手法に限らず、学校現場での震災の扱いについても興味本位的・野次馬的に扱っていたのではないかという指摘も、生徒側の弁護士から出されている。その指摘についても重く受け止める必要がある。

 しかもいじめ調査についても、十分とはいえない状況ではないかとうかがわれる。

 指摘された点を踏まえ、改善すべきところは改善を図り、またいじめの再調査に取り組むことを強く願うものである。