神戸市教員暴行:加害者の一人が「分限休職」に不服申立

 神戸市立東須磨小学校の同僚教員暴行事件で、加害教員のうちの一人が「分限休職処分」で給与を差し止められたことは不当として、取り消しを求めて神戸市人事委員会に審査請求をおこなっていたことが、11月8日にわかった。

 この問題では、加害教員を2019年10月1日より校務から外す際に「自宅謹慎」の制度がないとして手続き上有給休暇を取らせる形になっていた。このことで市民からの批判の声が相次いだとして、神戸市が急遽分限に関わる条例を改正して10月末に施行していた。加害教員については、10月31日付で分限休職と給与差し止めに切り替わっていた。

 この際に分限休職の可否を検討した審査会は、「刑事事件として立件されるかは不透明」「4人の行為の態様には異なりがあり、一律の扱いは疑問」などとして、分限休職はできないとする答申を出した。しかし教育委員会会議では分限休職相当という方向でまとまり、処分が決まった。

 不服を申し立てた加害者は、神戸新聞の報道によると、「改正条例は『重大な』『恐れ』など、極めて抽象的な文言で休職事由を拡大している」「処分は暴行・暴言の期間や頻度が異なる他の加害教員と一律に行っている」などと主張しているという。また、弁明機会が保障されていない、処分対象となった行為を知らされていないとも訴えている。

 加害者4人の行為については、これまで明らかになっている範囲でも極めて悪質であり、一部については懲戒免職も視野に入っているともされている。被害に遭った教員やほかの教員を守るためにも、また子どもや保護者のことを考えても、厳しい処分もありうるだろう。

 しかしその一方で、処分については事実認定をていねいにおこなった上で対応していかなければならない。

 今回の「分限処分条例」は、法的にもていねいに対応しないと問題が起きるのではないかとも指摘されてきた。案の定というか、加害者に「逆襲」の口実を与えてしまうような雑な対応となってしまったようにもみえる。

 過去にも、「体罰」・暴力行為や児童生徒への性的虐待などをおこなった教師が問題になった際、「処分の軽減」「刑事事件で不起訴・無罪」など自分にとって有利に見える裁定が出たことを「自分のしたことはすべて正しいとお墨付きを得た」とすり替えて、被害者や事件批判者を攻撃した事例など、過去にいくつもあった。

 今回の件についても、「分限休職」の手続きがおかしいということを、いつの間にかなし崩し的に「被害者に対しておこなった行為も含めて、自分のしたことはすべて正しかった」などと一方的な主張にすり替える恐れもあり、そうなってしまうと怖い。

(参考)
◎加害教員が給与差し止め不服で審査請求 改正条例に異議 教員間暴行(神戸新聞 2019/11/8)