「英語民間試験活用」2020年度の導入見送り・延期へ

 受験生や高校関係者・大学関係者から強い批判が出ていた「大学入試での英語民間試験活用」について、文部科学省が2020年度の導入を見送る方針を固めたことがわかった。

 2019年11月1日付の朝刊各紙で報じられている。

 大学入試センター試験に代えて2020年度より導入する「大学入学共通テスト」では、英語の試験について、英検など民間検定試験7種類の中から最大2回まで受験し、その成績を受験資格とする方針を決めていた。

 しかしこれについては、民間試験と大学入試で測る英語力は異なる・民間業者が自ら試験対策問題集を作るなど試験の公正性が担保できなくなるのではないかなどの批判のほか、家庭の経済状況や居住地域によって受験機会に差が出るのではないかという批判が巻き起こっていた。

 民間試験の受験料だけでも数千円~万単位になり、家庭の負担が著しく重くなることになる。また地方では試験会場が設定されるかどうかすら不透明になり、地方在住の受験生は遠方の試験会場への交通費や宿泊費などもかかることも見込まれる。これらのことによって、学力以前の出自(家庭の経済力・在住地域)によってスタートラインに著しく格差が付けられ、教育の機会均等に反することにもなると指摘されてきた。

 この問題では、受験生や高校関係者・大学関係者が強く抗議するなど社会問題化していた。野党会派は導入延期を求める法案を出していた。

 与党側からも制度上の問題点を指摘する声が出ていたという。

 導入延期は、一定の到達点であり成果であるといえる。

 私見では、民間試験の活用という制度設計そのものに問題があり、いくら改善を図ってもそのシステムを前提とする限りは困難だとも考える。しかし少なくとも、制度そのものを徹底的に見直し、不安の声が払拭・解消されたと認められる状況にならない限りは、導入すべきではないし無期限の延期が必要ではないか。