『週刊朝日』2019年10月21日配信記事『東須磨小学校の教諭イジメ事件で続々、出る”主犯”女性教諭の余罪 子どものイジメも急増』によると、2019年10月上旬に教員への暴力・パワハラ事件が報道されてから、体調を崩す児童が急増しているという。

保健室で手当を受ける児童が急増し、学校側は保健室のほかに別室を設置して児童のケアにあたっていると指摘されている。授業中などに呼吸が速くなるなどした児童、泣きわめいたり固まって何も話せなくなる児童などが出ているという。
また加害教員らがほかの教員への暴行をおこなっていた時期には、児童間のいじめ認知件数も急増したとする指摘もされている。いじめ認知件数の増減をもっていじめそのものがどうなのかとは単純には言い切れない面はある。その一方で少なからず影響を与えていたのではないかという見方もあるという。
加害者の女性教諭に関する証言
記事では、いじめ加害者の一人とされる女性教諭Hにスポットを当てている。
女性教諭Hは過去の勤務校でも、自分にとって気に入らない教員について、「あの教員はどうしようもない。授業中に騒いでもいい。ボイコットしてもいい」などと児童の前で言いふらしていた――記事では、同僚だった教員の証言が出されている。これは、東須磨小学校で被害教員が受けた行為とほぼ同じということになる。
東須磨小学校でも被害者への暴力行為について、女性教諭Hが職員室などで3人の男性教諭をけしかけていたとも指摘している。さらには、「加害者女性教諭Hが被害者教員の悪口を言いふらしているのを聞いた」という児童の証言も紹介されている。
さらなる調査と適切な対応を
加害者によるいじめというか、暴力行為・ハラスメントの内容については、神戸市教委が調査をおこなっている。また報道でも加害者を知る人たちからの証言が掘り起こされるなどしている。
暴力行為やパワハラの内容は徐々に明らかにはなっているが、明らかになっている範囲でもとんでもない内容となっている。
内容が多岐にわたりすぎているので、指摘された事案について一つ一つていねいに検証した上で、しかるべき対応を図ることが必要になってくる。
加害者への厳しい処分は当然だとしても、このような行為を横行させたような背景そのものに目を向けて抜本的な改善をおこなう方向での対応が求められる。
また、体調を崩す児童が急増していることを考慮すると、児童へのケアも重要になる。カレーを給食に出すことを自粛するとか、家庭科室や校門の改修とか、そういうよくわからない「対策」ではなく、児童が安心して学校生活を送れるような抜本的な対策が必要である。