大阪府「チャレンジテスト」、吉村知事は学校現場の声に背を向ける姿勢

 大阪府議会教育常任委員会で10月18日、大阪府の「チャレンジテスト」の問題が取り上げられた。

 質疑では、1度のテストによって生徒の調査書の評定(いわゆる内申点)を変更したり、学校のランク付けにつながるなど、教育介入の恐れがあるという指摘が出された。

 学校現場からの声として「学校の教育が信用されていないようで不快」「学力ばかり、5教科の点数を上げることばかり重視されているように感じる」「義務教育に、競争の場として新自由主義的な考えが持ち込むことは誤り」「学校平均点が個々の生徒の評定にもつながる『集団戦』となっていることで、周りからテストの日に休めといわれたり、テストのできが悪かったことを友達に詫びるなど、生徒間の分断が生じている状況が出ている」というものが紹介された。

 その上で、チャレンジテストに関する校長や教員へのアンケートを実施する提案とともに、小学校5・6年にまで拡大しようとしているのはやめるべきだとする指摘が出された。

 吉村洋文大阪府知事は、アンケート実施は教育委員会が決めるとしながらも「多数決ではない。みんなで仲良く何もしないという勢力が強くなれば努力しないということになる」として、チャレンジテストは継続する、現場の声に耳を傾けない態度を示した。

「学力」概念に関する無理解

 「チャレンジテスト」で想定している「学力」は、テストの点数という一部分だけを過剰に取り出して学力概念を矮小化してゆがめたものであり、しかもそれを絶対化して高校入試にも活用することで、生徒間・学校間の競争を強いるようなシステムとなっている。これでは、本来の意味での学力向上にはつながらず、テスト対策という小手先のものが横行してしまう危険性とも一体となっている。

 学力概念は「一度のテストの点数」というものだけにはとどまらず、もっと幅広い内容を指す。

 「チャレンジテスト」は、維新府政のもとで導入されたものでもある。統制志向と新自由主義が混ざり合った貧相で醜悪な発想に基づく維新政治の問題点を、もっとも如実に示しているものの一つとなっている。

 学校現場からの声や日常的な取り組みを「みんなで仲良く何もしないという勢力」などとねじ曲げて攻撃するなど、問題外の行為であるといってもよい。