「スクールロイヤー」全国に配置へ:文部科学省が方針固める

 文部科学省が「スクールロイヤー」(学校弁護士)を全国に約300人配置する方針を固めたと報じられている。

 いじめや虐待、不登校、学校への不当な要求などについて、法的な視点から問題解決への援助をおこない、状況が悪化する前の解決を目指す目的だという。各地の教育事務所などに配置し、教育委員会からの相談に応じる。

 2020年度からの導入を目指し、経費は年間4億円を見込んでいる。

 スクールロイヤー制度は、ケースによっては有効に作用することもあるのかもしれない。しかしその一方で、不安も捨てきれない制度となっている。

 教育委員会への相談に応じるということは、学校側と児童生徒・保護者との利害が対立する際、どのような立場をとるのかという不安が出る。例えばいじめ相談一つとっても、いじめ被害者を法的に守る立場ではなく、場合によっては教育委員会の側に立っていじめを隠蔽する指南をしてしまわないかという不安もある。「体罰」問題など教員の不適切言動、不登校問題、教員と保護者との対立など、他の分野での学校トラブルについても、似たようなことになりかねないのではないかという懸念もある。中立的な視点で問題解決を図るのではなく、教育委員会の側で動くことになるのではないのかという懸念が大きい。

 いじめや学校トラブルについて、法的な視点からの窓口や検討・相談体制なども、必要になることはあるのかもしれない。しかしそれが困っている児童生徒や保護者の立場で運用できるのかは、この制度では不透明である。導入するにしても、制度設計をよりしっかりとして、懸念を払拭するものにする必要があると感じる。