埼玉県川口市立中学校いじめ事件:現在高校1年の被害者が自殺

 埼玉県川口市立中学校在学当時にいじめに遭って複数回自殺未遂を図っていた、現在高校1年の男子生徒が、2019年9月8日に自殺したことが報じられた。

いじめ、男子生徒が3度自殺未遂を図る:埼玉・川口市立中学校
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いじめの経過

 報道によると、経過は以下のようになっているという。

 この生徒は2016年に中学校に入学し、サッカー部に入部した。サッカー部でいじめを受け、1年だった2016年9月・2016年10月、2年時の2017年4月にそれぞれ自殺を図った。いずれも未遂に終わったが、3回目の自殺未遂ではマンションから飛び降りて一命をとりとめたものの、足を骨折し障害が残っていたという。学校側にいじめを訴えても対処されず、3回目の自殺未遂半年後の2017年になって調査委員会を設置した。

 しかし川口市教育委員会は当該生徒や保護者側には調査委員会の設置を連絡せず、聴き取りもおこなっていないままだったという。

 生徒は自殺2日前の9月6日付で、「教育委員会は大ウソつき。いじめた人を守って嘘ばかりつかせる」「(学校・教育委員会は)ぼくをいじめた人は守ってて、いじめられたぼくは、誰にも守ってくれない」などと、いじめと学校・教育委員会の対応を批判するメモを残していた。

 生徒は2019年9月8日未明、川口市内のマンションから飛び降りた。病院に搬送されたものの死亡が確認された。

市の対応は問題

 報道の範囲内でも、川口市の対応は不適切ではないかという疑問を強く感じる。

 いじめ被害者への調査をせず、また調査委員会を設置しても被害者側には連絡せず、何を調査していたのか。加害者側の言い分や学校の自己保身だけをまとめていたのではないかと疑われてもやむを得ない。

川口市ではいじめでの重大事件相次ぐ

 川口市ではこの件のほか、市立小中学校でいじめによる重大事案がこの数年間で相次いでいる。しかも、いずれも学校・教育委員会の対応に重大な問題があると指摘されている。

 市立中学校の別の元男子生徒が、悪質ないじめを受けて不登校になったなどとして係争中となっている。

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 2017年には、当時中学校3年の女子生徒がいじめを苦にして自殺する事件があった。この件でも遺族が提訴しているとのこと。

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 さらに2019年4月には、市立小学校で外国籍の女子児童が人種差別的・民族差別的と受け取れるいじめを継続的に受け、学校側はまともに対応しなかったことも指摘された。

人種差別いじめと学校ぐるみのいじめ隠蔽が告発される:埼玉・川口市立小学校
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 市全体としてもこのような重大事案が相次ぎ、また対応にも問題が指摘されていることなど、異常事態ではないか。

(参考)
◎「教育委員会は、大ウソつき」埼玉県川口市で高1生徒がいじめを苦に自殺(文春オンライン 2019/9/9)