いじめ対応に「握手」「仲直りの会」は無意味・有害

 NHKニュースが2019年8月26日、『「握手」でいじめ、なくなるの?』を配信した。

「握手」でいじめ、なくなるの? | NHKニュース
二重に傷つく子どもたち… 先生が追い詰める結果に

記事の概略

 仙台市で2018年に起きた母子心中事件。この事件では、小学校2年生だった児童が通っていた学校でいじめを受け、母親がいじめ対応に悩んで精神的に追い詰められていたこと引き金になったことが指摘されている。

http://kyouiku.starfree.jp/d/post-8413/

 事件の中で、いじめへの担任教師の対応について「担任教師が加害児童と被害児童を同じ空間に呼んで『仲直りの会』をさせ、握手をさせた」ことが指摘された。しかしいじめはやまず、児童・母親ともに体調を崩して追い詰められ、母子心中に至った。

 この事件を取材していた記者は、当該案件での教師のいじめ対応について「ちょっと信じられない」「さすがにちょっと特殊なケースかと思いました」という印象をもったという。

 しかし記者は直後の取材で、全く同じような体験をした別の小学生に出会った。神奈川県の10歳少年によると、通っていた小学校で同級生から殴られるいじめを受けて担任教師に被害を訴えた際、担任は加害児童を呼び出して握手させ「これで仲直りだね」という対応をとった。このことでいじめは激化し、被害児童は転校を余儀なくされたと訴えた。

明らかに不適切な対応

 いじめへの対応については、いじめ被害者を守る、加害者に対して自分たちの行為は間違っていると自覚させるような適切な指導をするというのが鉄則である。

 「仲直りの会」をしても、加害者側が自分の行為について反省する機会になるとは限らない。加害者側は自らの行為を「いじめ」と認識しておこなっているわけではなく、むしろ正当な行為であり被害者には何をしてもいいと見下しているので、その点を認識させない限りは、無意味どころか有害である。

 「仲直りの会」やそれに類するいい加減な「指導」で、加害者側が逆恨みして「自分たちこそが被害者側からいじめられた」かのように扱い、いじめを激化・悪化させたことなど、この件のほかにも多数ある。

 いまだにこんな適当極まりないことをしている教師がいるのかと思うとぞっとする。はっきり言って、いじめに事実上加勢しているに等しいと厳しく批判されても仕方がないほどの行為である。