愛知県豊田市立小学校熱中症事故、市が安全配慮義務違反認める

 愛知県豊田市立梅坪小学校で2018年7月、当時1年の男子児童が、校外学習から学校に戻った直後に倒れて熱射病で死亡した事故について、豊田市が事故の責任と学校側の安全配慮義務違反を認め、遺族側に和解金を支払っていたことがわかった。

 太田稔彦豊田市長が8月23日の記者会見で明らかにした。賠償金の金額は、遺族側への配慮として非公表にしている。

事故の状況

 事故は2018年7月17日に発生した。事故数日前から全国的に、平年と比較して気温が著しく高い状況が続いていた。同日午前、生活科の校外学習の一環として、学校から約1km離れた公園に行って野外での活動をおこなった。当日の気温は、豊田市の観測地点で、午前8時時点で30度を超えていた。

 男子児童は学校から公園に向かう道のりで「疲れた」などと訴え、列から遅れるなどの状況があった。午前11時半頃に学校に戻ったが、児童は教室で意識を失い、救急搬送されたが死亡した。教室にはエアコンはなく、扇風機だけだったという。また校外学習は学年4クラスでおこなったが、当日はこの児童のほかにも、熱中症のような体調不良の症状を訴えて早退した児童が数名いたという。

 2018年は7月半ばから酷暑が続き、この事故のほかにも、学校での熱中症事故も全国的に相次いで社会的に問題化した。

 事故を受けた第三者調査委員会が2019年3月にまとめた報告書によると、学校側に熱中症の知識が薄く、校外学習を中止する判断もありえたのに事故を回避できなかったなどと指摘した。

 豊田市としても報告書を踏まえて事故を精査した結果、当日の暑さと死亡との間に因果関係があったと判断し、校外学習を予定通り実施したことで児童の体調を悪化させる注意配慮義務違反があったとした。

再発防止策の徹底を

 豊田市では事故を受け、市立小中学校の教室へのエアコン設置について、数年計画だったのを当初予定より早め、2019年度中に導入完了させる対策をとったという。また文部科学省でも、熱中症対策への注意喚起を各都道府県教育委員会などに通知している。

 このような事故を再発させないためにも、高温時での野外での活動中止、児童生徒の体調面への配慮など、可能な対策はできる限りおこなっていくことが必要になる。