学校図書館も「ツタヤ図書館」に?:和歌山市

 ネットニュースサイト『Business Journal』に2019年8月12日、『和歌山市、小中学校でも“ツタヤ図書館化”を計画…市民がCCCへの委託反対署名活動』が掲載された。

和歌山市、小中学校でも“ツタヤ図書館化”を計画…市民がCCCへの委託反対署名活動
和歌山市は小学校まで“ツタヤ化”するのか――。そんな事態が突然、表面化したのは、5月半ばのことだ。今冬、南海電鉄・和歌山市駅前にオープンが予定されている新市民図...

 和歌山市では、南海電鉄和歌山市駅の駅ビル再開発に伴って移転する新市民図書館の管理者を「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」(CCC)にするという方針が出されて問題になっていた。

「ツタヤ図書館」設置構想:和歌山市、新図書館の指定管理者候補をCCCに決定
 和歌山市教育委員会は11月30日、2019年秋に南海電鉄和歌山市駅の駅ビル内に新設移転予定の新市民図書館の指定管理者について、「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」(CCC)を候補者として選定したと発表した。 CCCは、DVDレンタル...

 DVDレンタルや書籍販売の店「TSUTAYA」の運営母体であるCCCが指定管理者となった、いわゆる「ツタヤ図書館」では、レイアウト一辺倒で「子ども向けの絵本が手に取れる場所にない」など利便性を無視、装飾目的の「ダミー本」を大量購入、店舗併設など商業ベースでの運営、日本十進分類法(NDC)とは異なる独自手法での資料配架をおこなう、ツタヤの在庫押しつけとも思われる不自然な書籍購入、郷土史資料の廃棄など、おかしな運営手法が全国各地で問題になっている。和歌山市でも「ツタヤ図書館」を疑問視する動きが生まれていた。

 そして今回の記事は、市民図書館のみならず、市立小中学校の学校図書館についてもCCCを指定管理者にしてしまおうという動きが生まれているのではないかという指摘がされている。

 記事によると、和歌山市立小中学校の学校図書館の管理運営をCCCに委託しようとしているという噂が出回り、和歌山市教育委員会に問い合わせたところ、市教委担当者はそのことは事実だと認めたという。

 新市民図書館の関係者にも取材したところ、ニュアンスがやや異なる発言があった。「CCCと交渉中なのは事実だが、未定」としたうえで、「モデル校を選定して試行したのち、CCCが巡回できる学校数を調整する方向」という趣旨を話したという。

 記事では、CCCの学校図書館派遣については「未定」なのに、既定路線になっていると批判している。

 市民図書館の管理委託の際に「学校等との連携」も項目に入れたことで、学校図書館もCCCの管理下に置くようにできるように解釈してすすめていると指摘している。学校教育と社会教育(公共図書館)は同じ教育委員会管轄でも事業の性格が違うので事業費目を分けるのが通常なのに、一緒にして扱っているのはおかしいとも指摘されている。

 学校図書館については、近年では法改正などもあって、学校図書館司書の配置など体制の充実を目指すよう求められている。しかしこのようなやり方で、本当に体制充実ができるのだろうか。