「黒染め指導」トラブル経験、元生徒が話す:東京都立高校

 東京都立高校の一部で髪の毛の「黒染め指導」がおこなわれているとして、NPO団体などが東京都教委に対して、そのような指導をなくすよう求める署名と要望書を出した。

頭髪「黒染め指導」署名と要望書提出:東京都
 東京都立高校の一部で、生徒の髪の毛を黒く染めさせるなどの頭髪指導がおこなわれている問題をめぐり、有志が約1万9000人分の署名を集め、7月30日に東京都教育委員会宛に提出した。  NPO法人の関係者、弁護士、都内の私立高校に通ってい...

 これに関連して、毎日新聞が2019年7月30日付で、『学校側が生徒に謝罪するトラブルも 都立高の頭髪黒染め指導』という記事を出している。

 記事では、東京23区内の都立高校を2019年3月に卒業した女性が高校在学中に受けた行為について、体験談が語られている。

 記事によると、2018年4月、3年生に進級したばかりのこの女子生徒は、教員から「頭髪が赤っぽい」といわれ、黒く染めるよう指示された。生徒は「ドライヤーなどで痛んだ地毛だ」と説明したものの、教員は「染めたり切ったりしないのなら、もう学校に来なくてもうよい」と告げたという。

 生徒がこのときのことをツイッターに書き込むと、学校側は「教員への中傷だ」として、この生徒を約1週間にわたって教室で授業を受けさせずに別室指導扱いにした。

 保護者が都教委に抗議し、学校側は「生徒への対応は行き過ぎた指導だった」と認めて謝罪した。しかし「ドライヤー焼けは頭髪指導の対象となりえる」という見解は崩していないままだという。

このような「指導」の矛盾

 記事で語られている生徒の体験談は、頭髪指導の矛盾点が極端な形で表れたもののようにも感じる。

 頭髪指導そのものが目的となり、また校則を守らせることそのものが目的となり、生徒の個別事情などを配慮せずにおかしな言いがかりを付け、理不尽に追い込んでいるような形にもなっている。人権侵害だというべきものである。生徒指導は生徒の自主性・自発性や納得を前提にするという原則からも逸脱していることにもなる。

 またそもそも、髪の毛の色を指導の対象にするのかという根本的な点から問われなければならない課題である。なぜその決まりができたのか、その規定は合理的なものかという問いなしに、校則だから・決まりだからと高圧的におこなうことで、個別の事情を無視して人権侵害のようなことになってしまうのは、極めて問題である。