保育料無償化でも待機児童増加に

 朝日新聞(ウェブ版)2019年7月13日付では『保育料ゼロが掘り起こす需要 先行自治体で待機児童増』が配信されている。

保育料ゼロが掘り起こす需要 先行自治体で待機児童増:朝日新聞デジタル
 幼稚園や保育所などの利用料が10月から全国で無償化される。政府は消費税率を10%に引き上げ、その増収分を財源にする考えだが、解消できずにいる待機児童がますます増える懸念もある。国にさきがけて無償化に…

 国は2019年10月より0~2歳児の保育料無償化の方針を決め、財源は消費税増税でまかなうとしている。一方で、自治体独自で保育料無償化を先行実施している自治体では、待機児童が増えていることについて触れている。

 記事では大阪府守口市のケースを紹介している。守口市では2017年4月より、0~5歳児の保育料を無償化した。世帯所得の上限は設定していない。守口市では0~5歳児の人口が増加に転じた一方で、認可保育所には入れない待機児童が大幅に増えていることも指摘されている。

大阪府守口市、幼児教育無償化へ:一方で問題も
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 守口市では2016年4月の待機児童は17人だったが、2018年4月には48人となった。約2.8倍になったことになる。

 記事では触れられていないが、守口市の保育無償化にはからくりがある。守口市は「維新市政」である。

 維新市政のもとで、保育料無償化の財源を生み出すために、公立幼稚園・保育所の統廃合や民営化をおこなうという方針を打ち出していた。これでは、いくら無償化といっても子どもの生活条件にしわ寄せがくることになる。受け入れ先も少なくなることになる。

 保護者の負担軽減の方向性自体は結構なことではあるが、制度設計に問題があると、看過できない問題が生じることにもなる。

 守口市では、参院選と同日の2019年7月21日投開票で守口市長選挙が予定されている。維新系の現職市長は再選を目指して出馬を表明している。また元共産党市議の新人も出馬を表明し、一騎打ちになるとみられている。保育の問題についても争点の一つとして検討されるべきものではないか。