「大学入学共通テスト」:記述式問題の採点体制に疑問出る

 大学入試センター試験に代わって2021年度より導入される「大学入学共通テスト」では、記述式の問題が導入される。

 現行のセンター試験では例年約50万人が受験し、新テストでも同等規模になると想定される。共通テストでは、国語と数学で記述式の問題を導入するが、採点者が約1万人必要になると見込まれている。

 文部科学省は、業者に委託して実施する採点者については現時点では具体的な要件を示していない。退職教員や大学院生だけではなく、アルバイト学生の採点も想定していることが、文部科学省関係者への取材で分かったと報じられた。

採点を不安視する声

 このことについては、採点の公正性を確保できるのか疑問が呈されている。

 NHKニュース(ウェブサイト)『「共通テスト」採点にバイト学生 認める方針 疑問視の声も』(2019年7月4日)によると、以下のような内容が紹介されている。

 高校教員は普段の定期テストなどの採点の経験から、「50万人の採点結果にはばらつきが出るだろう」などと話している。

 また新テストの課題を探るために本番に先立って実施された「プレテスト」では、ベネッセがアルバイト学生などを採用して採点したが、採点ミスや採点のばらつきなどもみられたという。採点に携わった学生は「2割から3割は基準通りに採点できているか自信がない」「記述式の採点では個人の主観が入ってしまう」などと話した。

 一方でセンター側は、採点には複数の人でチェックを取る体制を取ることを求めるなどとしている。

課題は山積みではないか

 学生が採点するから悪いとは一概には言い切れないし、高校教員経験者などに委託しても一定起こりうる可能性があるとはいえども、採点者によって採点結果にばらつきが出ることは避けられない。採点に疑念が持たれるような形では試験の公正性を害することにもなる。

 約50万人の答案を短期間で採点することになると、ミスや採点に当たっての疑念なども避けられないことにもなる。

 このような疑念が払拭されていない段階で、共通テストとして記述式問題を導入するのは時期尚早だともいえる。