岐阜市立中学校3年の男子生徒が2019年7月3日にいじめを訴えるメモを残して自殺した問題で、生徒が残したメモの内容や、学校側の対応が報じられている。
生徒が自宅に残していたメモ
生徒はいじめを訴えるメモを自宅に残していた。報道によると、平手打ちなどの暴力を振るわれた、土下座を強要された、金銭を要求されたといった内容が記されていたとされる。メモには加害者とされる生徒の実名もあったとされる。
また事件後、同級生からは「この生徒へのいじめがあった」とする目撃証言が相次いで学校に寄せられているともしている。
別の生徒の告発メモ
また生徒の生前の2019年5月31日、同級生の生徒が「自殺した生徒へのいじめがある」として、具体的ないじめ行為を列挙したメモを担任教諭に手渡していた。同級生の男子生徒2人がこの生徒に対して、給食での嫌いな食べ物を押しつけたり、生徒の持ち物を捨てるなどしていたことなどが記されていた。
学校や岐阜市教委は7月4日の保護者説明会で、参加者からの指摘を受けてメモの存在を初めて把握したとしている。担任教諭はメモの内容に目を通し、当該生徒に事情を聴き、加害者として名指しされた生徒にも指導をおこなっていた。
しかし担任教諭はその後、「メモに個人情報が記されていた。個人情報保護」としてシュレッダーでメモを廃棄したとみられるという。メモの内容については、管理職や学年担当などほかの教員と共有することもなかった。
いじめに対する初動対応が甘く、最悪の事態を招いたのではないかという疑いも出たことになる。