いじめで不登校に、調査報告書を公表:三重県立高校

 三重県教育委員会は6月13日、県立高校で2018年にいじめ事案があり、3年(いじめ発生当時2年)の女子生徒が約1年間にわたって不登校状態になっていることを明らかにした。

女子高校生の不登校は「いじめ」だった‥三重県教育委員会が公表

 いじめ事件は2018年5月に発覚した。

いじめ事件の経過

 学校が設置した調査委員会報告書によると、いじめの内容は大筋で以下のようになっているという。

 関与したのは男子生徒A、男子生徒B、女子生徒C、女子生徒Dの4人。被害生徒・男子生徒A・男子生徒B・女子生徒Dは同じ学科の同じクラス、女子生徒Cは別学科の別クラスだということ。

 関係した生徒間の事件以前の人間関係については「被害生徒は、男子生徒B・女子生徒Dとはそれぞれ、かねてから折り合いが悪かった」「男子生徒Bと女子生徒Cは交際関係」「女子生徒Cと女子生徒Dは友人関係」だという。

  • 2018年5月中旬、男子生徒Aが男子生徒Bとの会話の中で、被害生徒と性行為をしたなどと虚偽の発言をおこなった。
  • Bは、Aの発言をスマホで隠し撮りし、授業前の教室で録音を同級生に聴かせるなどしてクラスで広めた。
  • 2018年5月30日、生徒のクラスの教室の黒板に、被害生徒がAと関係があったかのように中傷するような落書きが書き込まれた。本人が落書きを発見して担任に被害申告した。
  • 被害生徒は、黒板の落書きはDのしわざではないか、Dからのいじめではないかと疑っていた。実際は、Bが落書きをしたと担任に申し出た。
  • 学校側は落書きの調査の際に、男子生徒Aと男子生徒Bが、被害生徒に関する性的な噂を広めた行為を把握した。2018年5月31日、男子生徒Aと男子生徒Bに対して校内謹慎の指導をおこなった。
  • 男子生徒への指導後、女子生徒Cと女子生徒Dがそれぞれ、ツイッターやインスタグラムに被害生徒を攻撃する書き込みをおこなった。学校側は攻撃書き込みを把握し、CとDを口頭指導した。

 被害生徒は事件後登校できなくなった。学校側は、被害生徒と加害生徒が校内で顔を合わせないように配慮した。夏休み中の課外授業には登校したものの、登校途中の最寄り駅で加害生徒と鉢合わせし、ショックでそのまま自宅に引き返して再び登校できなくなった。

 生徒は「被害者である自分が別室で授業を受けるのではなく、普通に教室で授業を受けたい。加害生徒が一切視界に入らない環境なら登校できる。加害生徒が学校を辞めるまでは登校できない」として登校に至っていないとされる。

第三者委員会でのいじめ認定

 第三者委員会では、男子生徒Bが「被害生徒が同じクラスの生徒と性的関係にある」という噂を流したことは、生徒にとっては屈辱的である、かねてから折り合いが悪かったこともあって余計に苦痛に感じるとして、いじめだと認定した。また女子生徒C・女子生徒Dのネットへの中傷書き込みについてもいじめだと認定した。

 男子生徒Aの発言については、いじめ防止法の定義によるいじめに相当するとする一方で、Bとの会話の中での発言で録音や流布を想定していなかったことをあげ、「強い道義的非難に値するとまでは言い切れない」と判断した。

いじめは重大な内容

 調査委員会で認定された内容は、衝撃的な内容である。

 いじめによって生徒の心を傷つけるだけでなく、登校できない状態に追い込むことで学業に大きな損失だけでなく、将来の人生設計にも不安を与える形になっている。

 生徒が不安なく登校を再開できるような態勢を整えることを、ていねいに検討していく必要がある。