大阪市の学校統廃合:跡地活用をどうするか

 毎日放送が2019年6月7日、『大阪市の小学校約80校が「統廃合の対象」に 廃校小学校どう活用すべき?』を放送した。

 大阪市では維新市政で出された方針により、「学校規模の適正化」として、2019年時点で287校ある市立小学校を約3分の2程度にまで減らし、約80校を廃止する方針を示している。

 その際に跡地の活用方針についてどうするかという観点から記事がまとめられている。

 記事では、2004年に廃校した北天満小学校(北区)と、1995年に廃校した精華小学校(中央区)での跡地の状況をリポートしている。

 北天満小学校では、運動場を芝生化したこと以外はほぼ手つかずで、校舎の老朽化や維持管理が課題となっている。

 精華小学校では、地域の財産で校舎を作った歴史的経緯などから、建築史・教育史の観点からも重要な位置づけとされてきた校舎の扱いをめぐり、長年学校関係者や地域との協議が続いていた。最終的には20年ほど経って維新市政のもとで民間に売却し、家電量販店「エディオンなんば店」が2019年6月7日にオープンした。

統廃合が必ずしも「よい」というわけではない

 維新の大阪市政は、小規模校イコール不適切かのように扱って統廃合を進めている。地元合意ができて統廃合となった学校やその見通しとなった学校もあるが、一方で強引な統廃合計画で住民からの不満や反発が噴出するケースも相次いでいる。

 2019年6月4日の大阪市会教育こども委員会では、小学校統廃合に関する2つの案件が議題になった。

 西淀川区の佃南小学校が小規模校となっているとして、佃西小学校に統合して廃校とする方針は、地元合意が得られたことなどもあって全会一致で承認された。本会議での関連議案可決を経て統廃合される見通しとなった。

 一方で生野区西部で、小規模校化している小学校12校を4校に統廃合し、対応する4中学校と小中連携教育を実施する構想の「生野区西部地域学校再編整備計画」については、大阪市(市教委・生野区役所)が主導した計画に対して、地元地域からは強い疑問と懸念が示されている。市会でも度々問題が取り上げられているが、この日も自民党と共産党の市議が疑問視する質疑をおこなった。

 共産党市議は、「小規模校が必ずしも不適切ではない。いじめなどがあった際に人間関係が固定化していたら逃げ場がないなどという意見もあるが、逆に教員の目が届きやすくなってきめ細かい指導ができるなどのメリットもある」と指摘した。

統廃合によってひずみが生じたケース

 大阪市では、過去に廃校となった学校の跡地を民間売却などするケースも相次いでいる。

 その結果、統廃合となった小学校跡地にタワーマンションが建ち、子育て世代が大量に流入し、それに伴って統廃合先小学校の児童数が急増して教室が足りなくなる、といった状況が発生したところもあると報告されている。

 また小学校がなくなることによって、災害時の地域の避難場所の問題や、法令で小学校周辺への設置が禁止されていた施設が設置可能になって治安悪化につながりかねないことなど、ほかの観点からの問題も指摘されている。

 学校の統廃合は、教育活動という観点から児童生徒の最善を第一にしてていねいに考えられていくべきである。またそれだけでなく、地域の街づくりという観点も決して切り離せないものとなっている。

 大阪市で維新市政がおこなっているような「統廃合ありき」の乱暴な対応であってはならない。また、地元合意で統廃合が妥当だと判断された場合でも、跡地の活用については街づくりの観点からていねいに検討が加えられるべきで、乱暴な売却などはあってはならない。