組体操問題:一部教職員・保護者の「期待」が危険な技の背景のひとつか

 大阪府東大阪市立小学校3校で6月1~2日に実施された運動会で、「7段ピラミッド」や「タワー」などの種目が実施される予定だったとしてネット上で話題になり、いずれも直前に学校判断で実施を取りやめた問題があった。

 続報的な記事が、産経新聞ウェブ版2019年6月5日配信『なぜ続く、運動会の巨大組み体操 大阪で「助けて」の声拡散』に掲載された。

 一部の教職員や保護者から、組体操を支持する声が根強いことについて触れている。

 「全員で組体操の練習をすることで連帯感が醸成され、不登校気味だった生徒が戻ってきたことがあった」(校長経験者)、「長年の伝統となっていて、こどもたちが憧れを持っている。それを汲みたい」(教員)、「こどもたちを懸命に応援した。成功したときは感動した」(保護者)といった声が紹介されている。

 しかし、そんな目先のことと引き換えに児童生徒の命や安全を危険にさらしていいのかという根源的なところが問われなければならない。

 組体操の練習により、全国で3年間に8000人を超える児童生徒がケガをしたという統計もある。死亡事故や重傷事故・重い後遺症を残す事故なども報告されている。

 多段ピラミッドや多段タワーなどについては、体操専門の体育大学の研究者・指導者ですら、「体育大学で体操を専門としている学生にも、こんなのは危険でさせられない」と指摘しているほどだという。そんなものを一般の小中学生や高校生にさせるなど、常軌を逸していると言わざるをえない。