中高一貫校いじめ訴訟、いじめ一部認定しながらも「時効」で棄却:京都地裁

 京都市内の私立の中高一貫校でいじめを受け退学を余儀なくされたとして、元生徒の女性(23)が加害者とされる同級生や学校側を相手取り約1600万円の損害賠償を求めた訴訟で、京都地裁は5月24日、いじめを認めながらも「時効」として原告側の請求を棄却した。

いじめの経過

 報道によると、いじめの経過は以下のようになっているという。

 生徒は中学校時代からいじめを受けていた。同級生から消しゴムのカスを投げつけられたり、この生徒が触れた場所を「汚い」などとはやし立てて同級生同士でこの生徒が触れた箇所をなすりつけ合う「ばい菌タッチ」の標的になるなどした。

 生徒は高校2年の3学期には登校できなくなり、高校2年の学年末に退学した。

 判決では、中学校1年~2年時点でのいじめを認定し「80万円の賠償相当」としたものの、高校卒業直前の2011年2月に校長がいじめについて生徒側に謝罪したところから時効が起算されると判断し、2014年6月の提訴時点で3年の時効が成立していたとして、賠償責任を認めなかった。

 それ以降高校2年までのいじめについては「証拠がない」として否定した。

 学校側については、いじめへの責任を認定しなかった。

「時効」の扱いとしてはどうか

 在学中から時効がカウントされるとすれば、いじめが救済される可能性が狭まってしまうことにもなりかねない。いじめそのものはあったと一部認定されながら、時効を理由に賠償責任が生じないというのでは、被害者は救済されないことにもなってしまう。

 また、いじめは実際には高校2年まで続いていたとも受け止められる状態になっている。これでは被害生徒は救済されないことになる。

 「読売新聞」によると、以下のような指摘がされているという。

 原告側の代理人弁護士は「学校生活を送りながら、同級生らを訴えるのは現実的ではない。在学中に時効のカウントが始まると、中高一貫校では在学中の提訴を強いることになりかねず、不合理だ」と訴えている。

元女子高生に「バイキンタッチ」いじめ、時効成立 (読売新聞 2019年5月26日)

 この点についても、慎重に検討していくべきではないか。

(参考)
◎元女子高生に「バイキンタッチ」いじめ、時効成立 (読売新聞 2019/5/26)