大阪府立学校「君が代」不起立、教諭1人の処分取り消し:大阪高裁

 大阪府立高校および府立支援学校の教員7人が、卒業式などでの「君が代」不起立を理由に戒告処分を受けたことは違法だとして大阪府を相手取って処分取り消しなどを訴えた訴訟で、大阪高裁は5月23日、一審判決を一部変更し、教諭1人に対する処分を取り消すよう命じる判決を出した。

 残る6人については、処分は引き続き適法とし、請求を棄却した。

事件の経過

 大阪府では橋下徹知事時代の2011年、維新府政のもとで、卒業式や入学式での「君が代」起立斉唱を義務づける条例を制定していた。

 当該教諭は2014年、同年度の入学式で「君が代」で起立せず、校長の職務命令に従わなかったとして戒告処分を受けていた。

 しかし判決では、この教諭について、校長が職務命令書を手渡した事実はなく、処分の前提となる職務命令は存在しないと判断して、処分は違法と判断した。

 部分的にでも処分が違法だと判断されたことは、一歩前進であるといえる。その一方で、職務命令の手続きに瑕疵があったから処分は無効だという論理にとどまり、「君が代」強要そのものが違憲であり不適切だというところにまでは踏み込めていないのは、残念な点ではある。

 「君が代」強要そのものの問題についても、引き続き考えていきたい。