熊本県立高校「LINE」いじめ自殺、同級生の賠償責任認める、県への請求は棄却

 熊本県立高校1年だった女子生徒が2013年8月に自殺したのは同級生からのいじめが原因だとして、遺族が熊本県や加害生徒を訴えていた訴訟(請求額は非公表、報道によると数千万円単位とみられる)で、熊本地裁は5月22日、遺族側の訴えを一部認め、同級生に約10万円の支払いを命じる判決を出した。一方で、熊本県への訴えは棄却した。

 生徒は2013年、熊本県内の遠隔地から熊本市内の県立高校に入学し、生徒寮に入寮した。しかし寮で一緒になった女子生徒から、寮の仕事を押しつけられる・持ち物を隠される・悪口を振りまかれるなどのいじめを受けるようになった。同級生はこの生徒について、LINEに「レスキュー呼んどけよ」などと脅迫めいた書き込みもおこなった。

 学校側は、いじめを把握していながら十分な対応を取っていなかったとも指摘された。

 生徒は夏休み中の2013年8月、帰省していた自宅で自殺した。

熊本県立高校LINEいじめ自殺事件
熊本県立高校1年だった女子生徒が2013年に自殺し、背景に同級生の女子生徒からのいじめがあったと指摘された問題。LINEでの中傷など「ネットいじめ」もあったと指摘された。経過女子生徒は2013年4月、熊本市内の熊本県立高校に進学した。県内の

 訴訟では、熊本県は「同級生の行為は、文部科学省の当時の定義ではいじめに該当しない」「学校側の対応も適切」と主張した。また加害生徒側も「喧嘩をしていただけ」などとしたという。

 ことの重大さと比較して、認定された範囲が小さすぎるようにも思える。

 控訴するかどうかも含めて、判決に対してどのような評価をして対応を取るかは、原告側の判断に委ねられる性質のものではある。一方で、訴訟としての展開がどのような形になっても、今回の訴訟で指摘された行為は「いじめ」であることには疑いの余地はないのではないかと感じる。

(参考)
◎高1自殺、元同級生に10万円賠償命令 熊本地裁(朝日新聞 2019/5/22)
◎LINEいじめで女子生徒自殺、同級生に賠償命令(読売新聞 2019/5/22)