大阪市「学テ成績で教職員評価」:市長と特別顧問が綿密に打ち合わせし教育介入か

 大阪市では、全国学力テストの成績によって校長や教職員評価をおこなう方針が、2018年に打ち出された。

「全国学力テストの結果を人事評価に反映する仕組み作りたい」大阪市長が見解
 吉村洋文大阪市長は8月2日の記者会見で、学力テストの結果を学校の人事評価に反映させる仕組みを作りたいという意向を表明した。  7月31日に全国学力テストの結果が公表されたことを受けたもの。大阪市では、政令市別の順位は2年連続で20都...
学テ成績を校長人事評価に反映する方針案:大阪市総合教育会議
 大阪市教育委員会は1月29日の総合教育会議で、学力テストの成績を小中学校校長の人事評価に反映する方針案を出した。  2019年度に試行を実施し、2020年度以降本格導入したいとしている。  対象となるテストは、小学校3~6年生...

 その際、吉村洋文大阪市長(当時)と大森不二雄大阪市特別顧問が、その方針を主導したことが指摘されている。この件に関して、大阪市秘書課および大阪市教育委員会総務課への情報公開請求がおこなわれ、このほど一部公開されたとのこと。

メールで明らかとなった吉村市長(当時)・大森特別顧問による市教委への露骨な介入

メールで明らかとなった吉村市長(当時)・大森特別顧問による市教委への露骨な介入 - グループZAZA
「子どもをテストで追いつめるな!市民の会」からのお知らせです。これは必見です。現在の大阪の教育のあり方を主導したのはだれか、メールのやりとりから浮かぶ上がってくるのは、あまりにも生々しい支配の実態です。以下ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー大阪市学テ結果で校長・教員評価を行う新人事評価制度の試行...

 情報公開によると、吉村前市長と大森特別顧問が頻繁にメール等でやりとりをおこない、方針を主導したことが指摘されている。教育委員会事務局は吉村・大森ラインで出された方針を追認する状況になり、「教育委員会の独立性を定める教育委員会制度を完全に乗り越えた政治介入」とも指摘されている。

 吉村前市長と大森特別顧問とのメールのやりとりについては「不存在」として非開示となったとされる。その一方で、大森特別顧問から教育委員会事務局関係者宛のメールによると、「学テ成績での教職員評価」方針の策定について、吉村氏と大森氏がメールでやりとりしていることを示す内容が記されていたという。

 吉村前市長が2018年8月に「学テでの教職員評価」を打ち出し、その後大森特別顧問の主導で具体的方針が詰められていったことは、報道や教育委員会会議の流れからもうかがえることではあった。そして、情報公開請求をおこなった人がいたことで、その内容がより具体的な形で明らかになったことになる。

大森特別顧問とは?

 大森特別顧問は橋下徹市長時代に大阪市教育委員に就任し、その後旧教育委員会制度に基づく教育委員長となった。維新市政の教育政策の実働の中心となり、桜宮高校「体罰」自殺事件に乗じて橋下が打ち出した同校の「体育科つぶし」案、「ゼロ・トレランス」の発想に基づく「学校安心ルール」の策定、2015年中学校教科書採択での育鵬社社会科(歴史・公民)教科書採択、など、悪名高き施策を次々と主導した。

 育鵬社教科書採択の際に、住宅販売会社「フジ住宅」が従業員を教科書展示会に動員し、育鵬社教科書を支持する内容のアンケートを同一文面で大量に書かせ、大阪市は不審点に気づきながらもそのまま集計するなどした不正が指摘され、問題になった。大森氏はこの問題での追及のさなか、「大学教員として新しいところへの赴任が決まったことで多忙になる」などとして、2016年3月末に教育委員長を中途辞任した。

 一方で吉村市長は、辞任からわずか半月後に大森氏を大阪市特別顧問に就任させている。

維新市政の教育介入

 2011年12月以降続く大阪市の維新市政では、橋下徹・吉村洋文の2代の市長のもとで、首長による教育行政への介入が続いてきた。首長が方針を指示し、教育委員会が首長の意向通りに動くことが続いてきた。

 今回の件についても、やはりそうかという感じではある。