中学校での跳び箱事故:朝日新聞が記事に

 朝日新聞(ウェブ版)2019年5月10日付に『跳び箱、頭から落ち車いす生活 手引と違った技の順番』が掲載されている。

 横浜市立中学校2年だった男子生徒が2017年5月、体育の跳び箱の授業中、頭部から落下して頸椎脱臼骨折となり、半身不随で車椅子生活になった事故について触れている。

 記事では、事故の背景について以下のように指摘している。

 事故当日、教諭は開脚跳びと台上前転の二つの技に取り組むよう指示。順番や段数は生徒に委ねた。この生徒は最初に開脚跳び、次に台上前転、再び開脚跳びに挑んで事故に遭った。

 文部科学省が15年に全国の学校に配った「器械運動指導の手引」は、台上前転の後で開脚跳びに取り組むと回転感覚が残って事故につながりやすいと指摘する。

(中略)

 文科省の手引の作成に携わった松本格之祐・桐蔭横浜大教授によると、台上前転の後に開脚跳びをすると、回転感覚が残って体が回ろうとして腰が高くなり、頭から落ちやすい。また、苦手な生徒は跳べない不安から助走や踏み切りの勢いを付けすぎることがあるという。「自治体や学校が行う教員向け講習会は各地で開かれているが、技の習得法に内容が偏りがち。より安全に配慮した指導法を伝えるべきだ」と話す。

 台上前転のあとで開脚跳びをすることで、台上前転の回転感覚が残って事故につながりやすいという指摘。そしてその指摘を受けての文科省の指導手引。事故発生時にはこの指導手引が曖昧にされていたことになる。

 指導教員の側が指導手引をきちんと把握し、技の順序についても適切な指導をおこなっていたら、事故を防げたかもしれないと考えると残念である。

 体育授業中の事故を種目別にみると、跳び箱事故が目立って多いとされる。災害共済給付金の給付額が5万円以上となった重い事故では、小学校・中学校で跳び箱事故が最も多かったという。

 漠然と課題を指示するだけではなく、安全性を確立させた指導をおこなわなければならない。