大阪府知事・市長選挙:「こどもの貧困」「教育環境」の改善を

 2019年4月7日投開票の大阪府知事選挙と大阪市長選挙で、大阪府知事に立候補を予定している元大阪府副知事・小西禎一(ただかず)氏と、大阪市長に立候補を予定している元大阪市議・柳本顕氏がそれぞれ、公約を発表した。

 両候補とも、大阪市を廃止・解体するいわゆる「大阪都構想」を終結させ、暮らしに予算を振り分けることを主張している。

 こどもと教育に関する重点施策として、大阪府では「府内全市町村で中学校給食の無償化を目指す」、大阪市では「老朽化した教育施設改善、教員の確保、教育環境の整備」を打ち出した。

中学校給食無償化

 大阪府ではこどもの貧困の問題も深刻化している。

 中学校給食については2019年3月の府議会でも、「貧困のために給食を食べられないこどもがいる」という質疑がされていた。

中学校給食推進求める質疑:大阪府議会
 大阪府議会教育常任委員会で3月13日、中学校給食の推進についての質疑がおこなわれた。  大阪府内での中学校給食の実態について「給食実施率は93%だが、選択制の場合もあり、実際に喫食している率とは差がある。4割の中学生が給食を食べられ...

 中学校給食については、直接的には市町村の権限ではある。その一方で財源などの問題もあり、府としても市町村と連携してのていねいな援助が求められている。

 一方で維新の府知事予定候補となる、吉村洋文氏(大阪市長)は「中学校給食無償化」に否定的な見解を出している。

教育環境の整備

 大阪市では「教育環境の整備」が課題になっている。

 維新市政になってから、教育条例や教育振興計画などにより、学校現場は疲弊と混迷の度を増している。「教職員の働き方」「教職員不足」などについては全国的な課題ではあるものの、大阪市では維新の方針によってさらに混乱に拍車をかけているような形になっている。

 現市政与党の維新によると、「教育費を維新市政になってから8倍にした」と宣伝しているようだが、実際の教育費は横ばい。「8倍」は、ICTや塾代助成など「維新の重点施策」事業だけを抜き出したもの。

 維新市政のもとでは教育予算が減らされ、学校図書館では週1回の専門職員派遣回数がさらに減らされる見通しに。

 維新市政による教育破壊問題はこのほかにも、「教育条例による教職員締め付け」「小中学校の統廃合推進」「学校選択制」「全国学力テストの学校別成績公表」「テストの点数での教職員評価を図る」「市立幼稚園の民営化構想」「中学校教科書採択で育鵬社社会科教科書をごり押し、採択の際に不適切行為」「ゼロ・トレランス的な『学校安心ルール』策定で、児童生徒を管理」など多くの分野にわたっている。

 また大阪府が主に担当する分野でも、「中学生チャレンジテストでの点数偏重主義」「公立高校統廃合」「チャレンジテストや高校学区撤廃などを背景とした高校入試の激化」など、重大な問題が噴出している。

 大阪市の教育状況は、市政に関する課題・府政に関する課題も含めて、維新による混乱が極限まで達している。教育行政を変えるのは、緊急の課題ではないか。

 柳本氏は、都構想について「最大の争点にするつもりはない」と強調。「初期投資だけで1500億円かかるなら、もっと住民サービスにお金を費やせる」とし、子ども・教育施策の充実に最優先で取り組みたいとした。市の教育の現状を「教員のモチベーション低下や人材不足によって現場が疲弊している」と指摘。

教員やスクールカウンセラーの増員のほか、老朽化した学校施設の建て替え・補修などを提案した。

大阪市長選 柳本氏が政策発表 都構想「最大の争点にしない」(毎日新聞2019年3月19日)

 大阪市におけるこの提案は注目される。